43 ページ43
宇髄は、胡蝶の鴉からAが隊士殺しの罪を着せられた、と聞き、すぐに調査を始めた。
元忍だった宇髄と嫁達は、諜報活動等は十八番だったため、すぐに証拠を見つけられると思っていた。
が、Aは運が悪かった。
目撃者がほとんどいなかったのである。
柱合会議までに間に合わせようとしていたが間に合わず、後は嫁達に託して運を天に任せていた。
ギリギリの所で間に合ったのは、さすが宇髄の嫁達、と言うところか。
事のあらましを伝えると、隊士はみるみるうちに顔色が真っ青になっていき、その場に立っていられなくなったのか、座り込んだ所を隠達に連れられ、何も言わずに去って行った。
「A、街を守ってくれていたんだね、ありがとう。
それと、本当に申し訳のないことをした。
どうか許して欲しい」
産屋敷がAに言うと、床に手を付き、頭を下げる。
「許すも許さないもない。
だから頭を上げて」
Aは頭を下げた産屋敷に伝える。
「しかし、A、ちゃんと説明してくれないと分からねぇだろ！
派手に焦ったぜ！」
宇髄がAの頭に手を置く。
「Aさん…、間に合って良かったです。
けれどこれからはちゃんと私達に相談してくださいよ？」
「…ごめん」
宇髄と胡蝶は、Aが珍しく謝罪をしたことに驚き、互いに目を合わせる。
「私達はこれからあの隊士の処遇を決めなければなりません。
Aさんはお疲れでしょうから、先にお休みください」
隠に送らせますから、と胡蝶が言うと、Aは大人しく従った。
去り行くAの背中を前に、煉獄は何も声を掛けられず、ただただ、見守ることしか出来なかった。
血が出る程拳を握りしめ、己の不甲斐なさを噛み締めながら。
しかし煉獄はこの時、どうして声を掛けなかったのか、後で後悔することになる。
臨時の柱合会議を終え、蝶屋敷へと帰ってきた胡蝶は、Aの様子を見に部屋へ向かい、驚愕した。
もぬけの殻となっていたその部屋には、Aの白衣、手術道具、以前はそこにあったAの物、全てが無くなっていた。
ただ一つ、机の上に、白い封筒だけがその存在を主張していた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 193人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さくら(プロフ) - ゆかりさん» メッセージに送らせていただきましたので、確認をお願いします！ (2022年2月20日 12時) (
レス) id: 8f829f7667 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - さくらさん» 返事遅くなってごめんなさい。大丈夫です！ (2022年2月19日 21時) (レス) id: 9654438337 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 雪さん» 雪さんコメントありがとうございます！ご指摘、直しました。誤字が多くて申し訳ございません。 (2022年2月11日 8時) (レス) id: 2c8a922d81 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - また続けてのコメントですみません。 物語読んでいて気が付いたのですが…｡ 同じく27.慟哭のここの部分 ○○←名前は、思いもやらぬ煉獄の声の大きさに目を見開いて驚くも、すぐにいつもの様に戻る。 これ正しくは思いもよらぬ (2022年2月11日 1時) (レス) @page27 id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 続けてのコメントですみません(>_<) 物語読んでいて気が付いたのですが｡｡｡ 27.慟哭のここの部分 悪い思ったんだが、と前置きをした上で、煉獄が事の顛末を話す。 これ正しくは悪いと思ったんだが、ではないんでしょうか？ (2022年2月11日 1時) (レス) @page27 id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さくら | 作成日時：2022年1月23日 22時
