25.本当の気持ち ページ25
さて、煉獄は来るかねぇ。
宇髄は酔って火照るAを縁側で涼ませながら、膝に寝かせ、鴉の伝言を聞いたであろう、男を待つ。
しかし、コイツも難儀な奴だな。
昔の影に囚われて自分から幸せになることを手放してやがる。
…昔の俺みてぇだけどな。
自分を責め続けちまうのはわかるけどよ、どこかでその荷を下ろさねぇと、いつか潰れちまうんじゃねえか。
荷を共に背負ってくれる奴は自分で見つけるしかねぇんだよ。
早く気付け。
アイツならオマエのこと受け止めてくれるに違いないだろうよ。
…だがもし万が一の時は、俺が派手に受け止めてやるからよ。
だから、もう少し自分のことを大事にしてくれ。
宇髄は眠るAの頭を優しく撫でる。
煉獄は宇髄家に着くや否や、縁側で佇む二人の姿を目の当たりにし、激しい衝撃を受けた。
いつも強気な宇髄が、あんなにも優しい顔をするのか、という驚きと、あんなにも無防備に宇髄の膝の上で眠るAを見て、心に黒い感情が湧き起こるのが手に取る様に分かった。
「よぉ、煉獄。
思ったより早かったな」
煉獄の姿を見つけた宇髄が、呼び掛ける。
「…宇髄、これはどういうことだ」
いつもよりも低く、怒気の籠った声で尋ねる。
「心配するな、どういうこともねぇよ。
ただ酒飲んだら眠っちまったんだよ。
泊まらせようと思ったんだけどよ、Aが煉獄に会いたがってたみたいだからな」
呼んだんだが、迷惑だったか?、と宇髄が悪戯そうな顔で聞く。
煉獄は息を深く吐き、見るからに分かる程の安堵の表情と、自分に会いたがっていた、という言葉に喜びを見せていた。
「Aが…、俺に?」
「あぁ、確かに言ってたぞ。
なぁ煉獄」
宇髄の問い掛けに、煉獄は、ん?、と眉を上げる。
「コイツのことどう思ってんだ?」
宇髄に、どう、と聞かれ、煉獄は少し黙った。
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さくら(プロフ) - ゆかりさん» メッセージに送らせていただきましたので、確認をお願いします! (2022年2月20日 12時) (レス) id: 8f829f7667 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - さくらさん» 返事遅くなってごめんなさい。大丈夫です! (2022年2月19日 21時) (レス) id: 9654438337 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 雪さん» 雪さんコメントありがとうございます!ご指摘、直しました。誤字が多くて申し訳ございません。 (2022年2月11日 8時) (レス) id: 2c8a922d81 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - また続けてのコメントですみません。 物語読んでいて気が付いたのですが…。 同じく27.慟哭のここの部分 ○○←名前は、思いもやらぬ煉獄の声の大きさに目を見開いて驚くも、すぐにいつもの様に戻る。 これ正しくは思いもよらぬ (2022年2月11日 1時) (レス) @page27 id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 続けてのコメントですみません(>_<) 物語読んでいて気が付いたのですが。。。 27.慟哭のここの部分 悪い思ったんだが、と前置きをした上で、煉獄が事の顛末を話す。 これ正しくは悪いと思ったんだが、ではないんでしょうか? (2022年2月11日 1時) (レス) @page27 id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さくら | 作成日時:2022年1月23日 22時