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帰路につく二人だったが、途中、杏寿郎は、急に走る速さを緩め、そのまま止まった。
「ん？大丈夫？疲れた？降りるよ？？」
「疲れてなどいない！」
と言うと抱く腕の力を強める杏寿郎。
「ど、したの？」
「どうしてそんなにAの元に上弦の鬼が来るのだろうな」
と杏寿郎は眉毛を下げながら、軽く笑う。
「ちょっと引き強いよねー…」
ははは、と笑いながら答えるA。
「うむ。Aのことだから、大丈夫だとは思っている。が！いてもたってもいられず任務先から走ってきてしまった！」
「任務先からって…！杏寿郎、本当に疲れてないの？」
「疲れなどAに会ったら飛んで行った！」
清々しく答える杏寿郎を見て、ぷっと吹き出すA。
「本当に、もう！
…大好き」
とAが言い杏寿郎の胸元に顔を寄せる。
杏寿郎はピクッと一瞬停止するが、すぐに我を取り戻す。
「A」
Aは名を呼ばれ、見上げると、杏寿郎の大きな瞳と目が合う。
そのまま近付いてくる瞳から目を逸らせずにいると、優しい口付けを落とされた。
Aはそれを受け入れる様に目を閉じると、杏寿郎も目を閉じ、しばしの間、お互いを求め合うように、口付けを交わしていた。
名残惜しそうに口を離すと、急に恥ずかしくなったAは、顔を伏せる。
するとまた額に唇の感触を感じ、ハッと見上げると、優しく笑う杏寿郎がいた。
(その顔は反則だよ…！！)
自分の胸が大きく高鳴るのがわかった。
(私の方が早死にしそう…！)
「も、もう勘弁して…！」
「何を言っている！まだまだこれからだぞ！」
と笑いながら言う杏寿郎に、Aは驚き、腕の中から逃げる様に近くへ飛ぶ。
「む！！」
突然腕の中からいなくなったAが逃げたのだと気付き、困ったように眉を下げる杏寿郎。
「すまん！Aが可愛らしくてつい！！今はもうしないから、戻ってきてくれないか？」
「…もう！…絶対だよ！」
「わかったわかった！」
と杏寿郎が笑いながら言うので、しぶしぶ杏寿郎の元へ戻るA。
また杏寿郎はAを横抱きにすると満足そうにしている。
「では行くぞ！」
と言うと杏寿郎はまた走り出す。
Aはほっと心臓を撫で下ろす。
(今は…な)
杏寿郎のその胸中を知らないAは、少しの悪寒を感じたが、気にも留めなかった。
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さくら(プロフ) - 星猫さん» 星猫さん、初めまして！コメント&高評価ありがとうございます！嬉しいです^ ^ (2021年9月30日 20時) (
レス) id: 8f829f7667 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 初めまして！とっても素敵ですね！高評価しました！ (2021年9月30日 18時) (レス) @page36 id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 氷飴さん» 氷飴さん、ありがとうございます！面白いと言っていただけるととても励みになります！これからもよろしくお願いします^ ^ (2021年9月17日 18時) (レス) id: 8f829f7667 (このIDを非表示/違反報告)
氷飴 - １の時から見てるんですけど、面白くてこの作品大好きです！これからも無理ない程度に頑張ってください。応援してます！ (2021年9月17日 16時) (レス) id: ab4c7ac665 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくら | 作成日時：2021年9月17日 7時
