呪霊か鬼か【鬼滅の刃】【呪術廻戦】

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二人で山へ向かい、駆けている。


鍛錬の成果か、Aは杏寿郎についていっている。


「ねーねー、虚式で山ごと飛ばしたらダメかなー？」


「よもや！！！最終選別が出来なくなるので出来ればやめてもらいたい！！」


「だよねー、でも殲滅って、全部倒せてるかどうかなんてわからなくない？」


「そうだな。おそらく藤の花を移植するまでの間、外に逃げ出す鬼がいなくなればいいのだろう！」


「んー、それなら、帳下ろす？」


「…とばり…とは前に使ってたやつか？」


「そうそう！山の広さにもよるけど、割と広い範囲で下ろせるよ！外からも誰も入れないけど、中からも出られない感じにすればいいんじゃない？」


「うむ！それはいいな！それでやってみてくれ！！」


「りょーかい！視覚効果付けとくから、帳消えたら死んだと思ってー！」


あはははは、じょーだん！と軽口を叩くA。


それを聞いた杏寿郎が急に止まるので、Aも続いて止まる。



「…冗談でも言ってくれるな」


ひどく悲しそうな顔をする杏寿郎を見て、


「…ごめん、ちゃんと戻ってくるね」


「…抱き締めていいか？」


「え！？！」


返事をする前に、気付けば杏寿郎の腕の中にいた。


「本当は俺もついていてやりたいんだが、長期の任務が入ってしまった。Aは大丈夫だと頭ではわかっているが、心がついていかない。心配させてくれるな。」


「…うん、ごめんね。絶対大丈夫だから。」


(…悪いこと言っちゃったな)


少しの間抱き合っていたが、ふと我に返ったAが、そ、そろそろ行かなきゃ！と杏寿郎を押し返し、二人は離れた。


(離れられなくなっているのは俺の方か…)


杏寿郎は名残惜しそうに手を離した。

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