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貴方目線
神輿事件の後
屋上で三橋くんの頬の手当てをしながら駄弁る
伊藤くんと理子は神輿を片付けに向かったため、屋上には三橋くんと私の二人だけだ
三「ッイ...ッてぇ!」
『大人しくしてて!しっかり消毒しないと...ね!!』
三「だから痛ぇって!!消毒液押しつけんな!!」
『ははっごめんごめん笑』
これでおしまいっと絆創膏を貼り付けた
終始痛い痛いと溢していた三橋くんは安堵のため息を吐く
『これに懲りたら怪我なんてしないでよ?』
と話ながら救急セットに道具をしまっていると、その手に重なった三橋くんの手
『ん?どうしたの?まだどこか痛((三「ん、もう震えてねぇな」え?』
突然そんなことを話し出した三橋くん
その表情は信じられないほど優しくて、思わず心臓がドクンと跳ねる
三「さっき、震えてたろ...あの、剛田ってやつ見てたとき」
『そう、なの?...気づかなかった』
三「そうか?まぁ、Aは病み上がりだしなー」
『何よそれ笑』
そんなことを話していると、重ねていた手を離し、その手を私の頭に乗せて不器用に横に振った
『...あ、じゃああのとき理子が庇ってくれたのも...』
ふと思い出したのは、先程私を制して三橋くんと剛田先生の間に入ってくれた理子の姿
「そうよA」
聞こえてきたその声に、二人してバッと顔を向ける
『理子!...と、伊藤くん』
伊「俺はおまけかよ」
理「全く...こういうのはバレずにやるのが格好いいのになぁ...」
その手を離してさんちゃん、という声に急いで三橋くんは私の頭から手を離した
そしてすぐさま伊藤くんを巻き込んでバドピンポンなるものを始めたため、近くの椅子に理子と並んで座る
あ、バドピンポンっていうのは、バドミントンのラケットでピンポン球を打ち合うゲームだよ!
理「前に、Aの過去を話してくれたでしょ?」
そう、あの後...私が話せるようになったその日、お見舞いに来てくれた理子に私の過去を話した
話し終わった途端、あまりにも大泣きするものだから、私自身泣くことも出来なくて
でも、その優しさが身に染みて暖かかったのは今でも忘れられない
理「あのとき、その、両親をヤクザに殺されたって言ってたし、剛田先生もヤクザみたいな格好だったから...怖いんじゃないかと思って」
そんなに、考えてくれてたんだ
こんな私のことを
ああ本当に
優しいな
『ありがとう』
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鈴美歌 - 久しぶりに読みました!やっぱり面白いです!これからもよろしくお願いします! (2021年5月29日 7時) (レス) id: 532a2a29eb (このIDを非表示/違反報告)
しのぶ(プロフ) - ウルロさん 楽しく読ませていただいてます!更新無理のない様に頑張ってください!! (2020年11月24日 7時) (レス) id: db4fa22712 (このIDを非表示/違反報告)
鈴美歌 - お久しぶりです!久々の更新嬉しいです!でも無理しないでくださいね! (2020年10月19日 19時) (レス) id: 5ffb6e02ad (このIDを非表示/違反報告)
みりん - 続き求む! (2020年10月7日 16時) (レス) id: f717bd1242 (このIDを非表示/違反報告)
ウルロ(プロフ) - 鈴美歌さん» ご連絡が遅くなってしまい申し訳ありません...私事ですが最近忙しくなってきてしまいまして...!でも最後まで頑張りますのでよろしくお願いします! (2020年9月21日 10時) (レス) id: 6159e7dc01 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ウルロ | 作成日時:2020年9月6日 23時