忍ガールは愛される

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三橋目線

Aから席を譲り受け、道着に着替えている途中、ついてきた伊藤が話しかけてきた

伊「急にやる気になってどうしたんだよ」

制服をロッカーに投げ入れながら、「今から来る奴ら相当やべぇぞ」と返した

思い浮かべるのは先程の光景

さっさと家に帰ろうと歩いていると、目の前にはガラの悪そうなやつらに絡まれる道着の集団

このままやられっかなーと眺めていると、後ろから出てきた大柄のこれまた道着を着た男が、あっという間に全員片付けてしまいやがった

ハッと気づいたのは、あいつらが道着だということ

これはまずいと、道を引き返してきたというわけだ

三「しかしAのやつ…相当キレてんな…」

伊「お、お前その肩…」

二人して見つめるのは、大きなあざが目立つ俺の肩

本当ゴリラだな…と考えながら、道着に袖を通した






貴方目線

なんやかんやで始まった決闘

これで負けた方が道場の看板を下ろすことになってしまう

『はぁ…やっぱり私も出たかったなぁ…』

理「だめよ！また傷が開いたらどうするの！」

『そうだけどさぁ…やっぱり親友のピンチになにも出来ないのは…』

理「A…！」

理子とイチャイチャしていると、そっと握られる左手

その握られる先を追いかけると、目の前には今井くん

あれ、デジャブ？？？()

ていうかいつの間にむっくん先生やられたの！？()

今「この今井…貴方の…Aさんのために戦ってまいります！！！」

凄い優しい人なんだなーと思いつつも、握られている方と違う手を重ねて『頑張ってください』とだけ返しておいた

すると、はぅ…ッという声とともに場内に入っていった今井さん

あれ？何で理子はハンカチで私の手を拭いているんだい？()

理「汚れちゃったから()」

『お、おん…()』

そんな茶番をしているうちに、どんどんと敵を倒していく今井さん

思わず『凄…』と声が漏れた

最後の一人を残して、ほぼ全員を一人で倒した今井さん

伊「あいつ、ちゃんと強かったんだな…」

三「筋肉馬鹿なんだろ」

皆で感心していると、向こう側の審判の人が、「あーあ、岸本を出さずに終われば、けが人を出さずに済んだものを…」と企みを含むように言った

声と同時に入ってきたのは、今までの奴とは明らかに違う空気を纏った大柄の男

そいつと目が合った途端、体が危険信号を出したかのように鳥肌が立つ

「こいつはやばい」と、本能的に感じた

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