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それからしばらくすると、老婆が呼んでくれた医者が来て、杏寿郎を診てくれたが、やはり風邪で、少し療養すればすぐに良くなるだろうとのことだった。
老婆が、もし良ければまだ休んでいってくださいと言ってくれたので、鴉を飛ばし煉獄家と鬼殺隊本部に報告を入れ、今日一日休ませてもらうことにした。
医者に薬をもらったので、何か腹に入れなければと、Aは老婆に台所を借りて、粥を作った。
「ほら、杏寿郎、あーんして」
「…A!少し恥ずかしいのだが!」
「いいの!こういう時は甘えなさい!」
と言われ、大人しく口を開ける杏寿郎であった。
全て食べ終え、薬を飲むと、また横になる。
「A、すまないな、何から何まで」
「さっきも言ったでしょ?こういう時は甘えるもんなの!」
そうか、と杏寿郎は微笑む。
「しかし、汗をかいたせいか、身体が気持ち悪いな。
風呂を借りれないか?」
「まだお風呂は止めておいた方がいいんじゃないかな?
それなら身体拭く?」
「そうだな。せめて身体を拭くか。
すまないが、手拭いを貰えるか?」
おっけー、とAが桶にぬるま湯を汲んで、手拭いを絞り、杏寿郎に渡す。
杏寿郎は上半身を起こし、浴衣の上を下ろす。
「わっ!!」
急に浴衣を脱ぐので、吃驚して後ろを向くA。
杏寿郎はそんなAを見て可笑しくなり、笑ってしまう。
身体を拭いていた杏寿郎だったが、風邪で身体が上手く動かないせいか、背中の方が拭けないでいた。
「A、すまないが、背中を拭いてもらえないだろうか?」
「…ガンバリマス」
手拭いを渡され、絞り直すと、Aは極力見ないように、と杏寿郎の背中へ回る。
杏寿郎の背中は思っていた以上に広く、引き締まっており、Aは見惚れていた。
「A?」
声を掛けられハッと我に返り、ごめんごめん!!と杏寿郎の背中を拭く。
「痛くない?」
「うむ、ちょうど良い!」
「そっか、良かった」
(大きい背中。色々な物を背負っているのかな。
私は少しは杏寿郎の力になれてるのかな)
Aは背中を見ながら、想いに耽っていた。
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さくら(プロフ) - 伏黒パパ推しさん» 伏黒パパ推しさん、コメントありがとうございます!また入院されてたんですね、でも良くなられたみたいで良かったです!また何かリクエスト等ありましたら、書いてみたいと思いますので、これからもよろしくお願いします! (2022年1月23日 12時) (レス) id: 8f829f7667 (このIDを非表示/違反報告)
伏黒パパ推し - お久しぶりです。退院してから二週間後ぐらいにまた体調を崩して1ヶ月半また入院してました。でも今は回復していますので安心してください。入院中もこの小説見ながら元気をもらっていたので続きをお待ちしてます。 (2022年1月23日 4時) (レス) id: 101530242c (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 氷飴さん» こちらでコメントいただいてたの気付かずすみません!氷飴さん、いつもありがとうございます!文章に自信があまりないので、そのお言葉はとても嬉しいです!呪術はーの方ももう少し進んだら短編書きたいと思っているので、お付き合いいただけると嬉しいです! (2021年12月20日 23時) (レス) id: 8f829f7667 (このIDを非表示/違反報告)
氷飴 - 本編も読ませてもらってます!文を書くのがとても上手ですね!とても面白かったです! (2021年12月3日 7時) (レス) id: ab4c7ac665 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 煉獄さん推しさん» リクエストのもの、お待たせしました!続編に続いておりますので、よかったら読んでみてください^ ^ (2021年11月16日 20時) (レス) id: 8f829f7667 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さくら | 作成日時:2021年9月23日 16時