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Aは部屋に戻ると杏寿郎はまだ寝ていた。
額に血管が浮き出る程苦しそうな顔で汗を流しており、Aは桶にぬるま湯を汲み、手拭いで拭く。
冷たい水で硬く絞った手拭いを杏寿郎の額に乗せる。
冷たいのが心地良いのか、幾分か苦しい顔も和らぐ。
(…杏寿郎)
Aは夜中、額の手拭いが温くなると冷たい物に変え、看病を続けていた。
(…朝…か。
風邪を引いてしまうとは不甲斐ない…)
杏寿郎は日の光を感じ目を覚ますと、身体の気怠さとは別の重さを感じ、上半身を起こすと額の手拭いが床に落ちる。
下を見ると、Aが自身の上に覆い被さって眠っていた。
周りには桶と手拭いが置いてあり、看病をしてくれていたのが一目瞭然であった。
(まさか一晩中ここに…？)
Aは、杏寿郎が上半身を起こしたことで、ハッと目が覚める。
「うわっ、やば、寝ちゃってた！」
とガバッと起き上がる。
「あれ、杏寿郎起きたの？体調はどう？大丈夫？」
「うむ。昨夜よりは少し良いがまだ身体が怠いな。
A、まさかずっとここにいたのか？」
「ずっと辛そうだったから心配でさ」
でも途中で寝ちゃってたみたいだけど、とハハッとAは笑う。
「…A、ありがとう。」
「いいよいいよ！元はと言えば私のせいだし！
ほらほら、ちゃんと横になりなさい！」
と杏寿郎の肩を掴み、無理矢理寝かせる。
また布団を肩まで掛けると、ポンポンッと布団を叩く。
「…A、夢を見たんだ」
「夢？」
「うむ。幼い頃に風邪を引いた時の夢だ。
母上が看病してくださっていた。
汗をずっと拭いてくれて、額の手拭いが温くなるとすぐに変えてくれていた。
…とても懐かしい夢だった」
嬉しそうに、そして少し寂しそうに言う杏寿郎を見て、Aは込み上げるものがあり、杏寿郎の頭を撫でる。
杏寿郎は撫でられ、気持ち良さそうに目を瞑る。
「すごくいい夢だね。
少しまた眠るといいよ。また夢を見れるかもしれない」
「…うむ、そうさせてもらう…」
頭を撫で続けると、まだ熱があるのか、杏寿郎はすぐ眠りについた。
Aは額に硬く絞った冷たい手拭いを乗せた。
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さくら(プロフ) - 伏黒パパ推しさん» 伏黒パパ推しさん、コメントありがとうございます！また入院されてたんですね、でも良くなられたみたいで良かったです！また何かリクエスト等ありましたら、書いてみたいと思いますので、これからもよろしくお願いします！ (2022年1月23日 12時) (
レス) id: 8f829f7667 (このIDを非表示/違反報告)
伏黒パパ推し - お久しぶりです。退院してから二週間後ぐらいにまた体調を崩して１ヶ月半また入院してました。でも今は回復していますので安心してください。入院中もこの小説見ながら元気をもらっていたので続きをお待ちしてます。 (2022年1月23日 4時) (レス) id: 101530242c (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 氷飴さん» こちらでコメントいただいてたの気付かずすみません！氷飴さん、いつもありがとうございます！文章に自信があまりないので、そのお言葉はとても嬉しいです！呪術はーの方ももう少し進んだら短編書きたいと思っているので、お付き合いいただけると嬉しいです！ (2021年12月20日 23時) (レス) id: 8f829f7667 (このIDを非表示/違反報告)
氷飴 - 本編も読ませてもらってます！文を書くのがとても上手ですね！とても面白かったです！ (2021年12月3日 7時) (レス) id: ab4c7ac665 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 煉獄さん推しさん» リクエストのもの、お待たせしました！続編に続いておりますので、よかったら読んでみてください^ ^ (2021年11月16日 20時) (レス) id: 8f829f7667 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくら | 作成日時：2021年9月23日 16時
