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「気にすんな。ちょっと待ってろォ」
と足早に不死川は台所に向かう。
Aに握られた手が熱く、熱が引かないのはAの熱が高いせいだと自分に言い聞かせながら。
「ほら、剥いたぞ」
と剥いた桃を持って再度Aのところに来た不死川。
「ありがとうー!わ、美味しそ!!」
喜ぶAを見て、不死川は自然と笑顔になり、またもや自分でも無意識に、桃をAに食べさそうとする。
「…実弥?自分で食べれるよ?」
とAに言われ、ハッと我に返る不死川。
「お、おお。なんか弟達にいつもこうやってたから、つい癖でよ!すまねェ」
そういうこと、それなら、とAはあーん、と口を開ける。
それを見て不死川は固まる。
「ん?あれ?食べさせてくれるんじゃ?」
「あ、お、おぉ」
と桃をAの口に運ぶ。
「んー、美味しい!やっぱり風邪の時はさっぱりした物に限るね!」
「そうだろォ」
と不死川が笑いながら言う。
「小さい時に風邪引いた時によく悟が、同じように桃を食べさせてくれたんだよねー!
懐かしいなぁ」
とAが嬉しそうに、だけどどこか寂しそうに言うのを見て不死川は、思わずAの頭を撫でる。
「こんなことでよければいつでもしてやらァ」
見たこともない優しい笑みをする不死川を見てAは一瞬目を奪われる。
「…じゃあまたお願いするね、お兄ちゃん」
Aが悪戯っぽく笑うと、不死川は驚くが、
「…おうよ」
と答える。
まだ熱があるんだから、ちゃんと寝ろォと不死川に言われ、Aは、はーい!と布団に潜ると、一瞬で眠りについた。
(お兄ちゃん、か。信用し過ぎだろ。
…まぁ、それでも、いいか)
寝ているAの頭を一撫でした後、部屋を後にした。
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さくら(プロフ) - 伏黒パパ推しさん» 伏黒パパ推しさん、コメントありがとうございます!また入院されてたんですね、でも良くなられたみたいで良かったです!また何かリクエスト等ありましたら、書いてみたいと思いますので、これからもよろしくお願いします! (2022年1月23日 12時) (レス) id: 8f829f7667 (このIDを非表示/違反報告)
伏黒パパ推し - お久しぶりです。退院してから二週間後ぐらいにまた体調を崩して1ヶ月半また入院してました。でも今は回復していますので安心してください。入院中もこの小説見ながら元気をもらっていたので続きをお待ちしてます。 (2022年1月23日 4時) (レス) id: 101530242c (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 氷飴さん» こちらでコメントいただいてたの気付かずすみません!氷飴さん、いつもありがとうございます!文章に自信があまりないので、そのお言葉はとても嬉しいです!呪術はーの方ももう少し進んだら短編書きたいと思っているので、お付き合いいただけると嬉しいです! (2021年12月20日 23時) (レス) id: 8f829f7667 (このIDを非表示/違反報告)
氷飴 - 本編も読ませてもらってます!文を書くのがとても上手ですね!とても面白かったです! (2021年12月3日 7時) (レス) id: ab4c7ac665 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 煉獄さん推しさん» リクエストのもの、お待たせしました!続編に続いておりますので、よかったら読んでみてください^ ^ (2021年11月16日 20時) (レス) id: 8f829f7667 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さくら | 作成日時:2021年9月23日 16時