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珈琲~MILK~ ページ47

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「…」




米花公園前。
Aは、自販機の前で立ち往生していた。
目線の先には“思い出の缶コーヒー”___




「ねぇ、それ買わないの?」




振り返れば、いつものコナン少年。
スケボーを脇に抱え、不思議そうな顔を浮かべている。
先日、この辺りで起こった事件の現場でも見てきた、というところだろうか。


Aは目線を逸らし、隣のレモンティーのボタンを押した。




「コーヒーじゃなくていいの?」


「…あれはもう買えないから。」




プシュッとステイオンタブを開け、レモンティーを一気に飲みほした。




「…大丈夫?」


「うん。ごめんね、心配かけて。」




見た目は小学生だが、中身は高校生だとしても、私からしてみれば弟のような存在だ。

Aは愛おしそうに彼の頭を撫でた。
しかし、それでも彼女の表情はどこか寂しげだった。




「例の人のこと?」


「…うん。ちょうど4年前の今日が最後に会った日なの。」




しばらく沈黙が流れた。
Aはずっと真正面を向いたまま。
コナンはそんな彼女の横顔を眺めていた。




「…ねぇ、そのこともっと詳しく話してくれない?」


「え?」




沈黙を破ったのはコナンだった。
突然の彼の発言に、Aは素っ頓狂な声を出した。

そして彼女はベンチから立ち上がり、何も言わずに ほんのりレモンティーの香りがする空き缶を捨てに行った。


もしかしたらAが探している「彼」は、何か事件に巻き込まれてしまったのかもしれない___

そう考え、もっと話が聞きたいコナンは、やっぱりダメか…と落胆した。




「…おやつ、手作りのクッキーしかないんだけど、それでもいい?」




Aが戻ってきたと思えば、コナンにそう言った。

それは彼女なりのOKサインだった。




「いいの?」


「うん。別に隠しているわけじゃないし…私も彼の生死をハッキリさせたい。」




コナンはAからヘルメットを受け取り、彼女の後ろに跨った。






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つむぎ(プロフ) - まゆさん» コメントありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2019年6月26日 20時) (レス) id: a3594e8b9c (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2019年6月26日 10時) (レス) id: 76d368eb20 (このIDを非表示/違反報告)
つむぎ(プロフ) - 月兎さん» ありがとうございます!まったり更新していくので、気長にお待ちください!! (2019年5月12日 10時) (レス) id: a3594e8b9c (このIDを非表示/違反報告)
月兎(プロフ) - 素晴らしすぎます…更新頑張ってください! (2019年5月11日 23時) (レス) id: 45fce474d9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:つむぎ | 作成日時:2019年4月18日 2時

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