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story2 ページ38

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「多分、この辺りだと思うんですけど…」




Aは、安室の愛車であるRX-7に乗り込み、先程事情を話して本部から教えて貰った手がかりを元に、宅配業者のクール便を探す。

レシートには、“Corps”の文字だけでなく、車のナンバーまで書かれており、あとはその車自体を探すだけである。




「…僕のこと、少しは嫌いじゃなくなりましたか?」


「は?」


「いや、Aさん、僕のこと避けていたでしょう?」




今Aは、驚くほど間抜けな顔をしているに違いない。

確かに、彼は胡散臭いし、少し苦手意識をしていた。さらに本人には絶対言えないが、裏の顔まで知ってしまった。

もしかしたら、気付かぬうちに避けてしまっていたのかもしれない。

それがまさか当の本人に気づかれるとは。




「…そうですね、いい人だということは分かりました。」




それなら良かった、と安室は微笑んだ。

生憎、Aは嘘はついていない。
先日も今も、彼が事件解決に一生懸命なのは本心のように感じてしまうのだ。

もしかしたら、それが黒の組織(彼ら)の恐ろしいところなのかもしれないが。




「…あれじゃないですか?」




その先の質問から逃れるように、Aは狭い路地に停っているクール便のトラックを指さした。

幸いにも、そこは工藤邸や阿笠邸の目の前だった。




「ナンバーも同じですし、あれに間違いないですね。いきましょうか。」




そう言って安室はクラクションを鳴らし、車を降りた。

それに続いてAも車を降りる。




「すみませーん…この路地狭いから、譲ってもらえませんか?

__________傷つけたくないので。」




宅配業者のツナギに身を包んだ男性2人組に、安室はそう告げた。


Aは安室が言う“傷つけたくない”モノが、真っ白なRX-7では無いように思えた。









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つむぎ(プロフ) - まゆさん» コメントありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2019年6月26日 20時) (レス) id: a3594e8b9c (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2019年6月26日 10時) (レス) id: 76d368eb20 (このIDを非表示/違反報告)
つむぎ(プロフ) - 月兎さん» ありがとうございます!まったり更新していくので、気長にお待ちください!! (2019年5月12日 10時) (レス) id: a3594e8b9c (このIDを非表示/違反報告)
月兎(プロフ) - 素晴らしすぎます…更新頑張ってください! (2019年5月11日 23時) (レス) id: 45fce474d9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:つむぎ | 作成日時:2019年4月18日 2時

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