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story2 ページ23

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「ということで!洗いざらい話してもらうわよ!」




と言って、苦笑いをしている美和子の隣で、由美はジョッキのビールをぐびっと一気に飲んだ。


由美と美和子は、Aが鑑識課にいた時から仲良くしてもらっており、こんな風に由美のヤケ酒に付き合ったものだ。


そして、今。
彼女から久しぶりに連絡が来たと思えばこれである。




「…ねぇ、由美、どうしたの?」


「また彼氏と別れたんだって。」


「だってさぁ!美和子は高木くんがいるし、Aは男に困ることなんてないでしょ!? なんで私だけこんななのよぉ!」




いつの間にか出来上がってしまった由美が泣きながら叫んだ。




「由美、私男に困るどころか、彼氏いないんだけど?」


「ええっ!?まだいないの?」




由美より大きな反応をしたのは美和子だった。




「昔、刑事部の男共は寄って集ってA目当てに鑑識課に書類持って行ってたのに!」


「ええ?」




驚く美和子を横目に、Aは枝豆をつまんだ。
ちなみに、Aはビールどころか酒は滅法苦手なため、飲んでいるのは麦茶である。




「ああっ!前に言ってた“コーヒーの彼”のことが忘れられないんでしょぉ〜?」


「なにそれ!私聞いてないわよ!」


「美和子は事件かなんかでいなかったときだもん」




そう言って由美はさらにビールを注文しようとしたので、Aはそれを止め、お冷を持ってくるよう店員さんに声をかけた。




「それで?その“コーヒーの彼”ってなんなのよ?」


「なんだったかなぁ…確か___」




その話を渋るAの代わりに、お冷を飲んで少し酔いが覚めた由美が話し始めた。






「へぇ…そんな人が?」


「それで?Aはその人のことが忘れられなくて、彼氏作ってないわけ?」


「…いや、忘れられないわけじゃないけど…今はなんというか、余裕がなくて…」




Aは誤魔化すようにグラスの麦茶を一気に飲んだ。



最近、Aはこの話をすることが多いのだが、“忘れられないのか”と聞かれると、返答に困る。


しかし、あれから思い出の缶コーヒーを飲む以前に買わなくなった…いや、買えなくなった。



仕事で誤魔化していただけで、自分でも気づいていたのだ。


想いを言葉に出来なかったこと。


そして彼自身のことに関して、整理ができていないことに。



いつからこんなに愛に溺れるようになったのだろう、とAはまた麦茶を飲みほした。








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つむぎ(プロフ) - まゆさん» コメントありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2019年6月26日 20時) (レス) id: a3594e8b9c (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2019年6月26日 10時) (レス) id: 76d368eb20 (このIDを非表示/違反報告)
つむぎ(プロフ) - 月兎さん» ありがとうございます!まったり更新していくので、気長にお待ちください!! (2019年5月12日 10時) (レス) id: a3594e8b9c (このIDを非表示/違反報告)
月兎(プロフ) - 素晴らしすぎます…更新頑張ってください! (2019年5月11日 23時) (レス) id: 45fce474d9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:つむぎ | 作成日時:2019年4月18日 2時

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