story3 ページ17
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Aは、灰原…本名 宮野志保のお姉さんのことは工藤から聞いている。
もちろん、諸星大という男のことも。
志保は、諸星大=赤井秀一 だということも、彼が工藤邸に住んでいる、「沖矢昴」の正体だということもまだ知らないらしい。
「…大丈夫。万が一のことがあってもあなたのことは工藤くんや私が守るから。」
Aは、怯える志保を放っておけなくて、そんなことを言ってしまった。
「守る」
本当に、ただの研究員にそんなことが出来るのだろうか。
「…ありがとう」
お礼を言った志保は少しだけ不安が消えたようで、そのまま少年探偵団を追いかけて行った。
***
コナンたちは、もう一度先程の部屋の戸を開けようとした。
7号車の車掌に聞いたところ、ここは7号車で間違いないと言う。
「あのさ、ここってホントに…」
「8号車だって言ってるでしょ!ガキんちょは部屋に戻って大人しくしてろっての!」
少年探偵団はシュンとして、また部屋の戸を閉めた。
車掌は7号車だと言った。
しかし、蘭たちはここは8号車だと言う。
やっぱり辻褄が合わない。
そんなことを考えていると、先程部屋に入った時のことを思い出した。
「…そういえば、さっき部屋に入った時、真純ちゃんが何か持ってたような…」
「A姉ちゃん、それだよ!」
コナンはなにか閃いたようで、また部屋の戸を開けた。
「ちょっと、あんたねぇ…」
「この部屋ってさー、本当の本当は7号車のB室だよね? ボク達みたいに指示が出されたカードを貰ったんでしょ? A姉ちゃんがそのカードを持ってるのをさっき見てたよ!」
コナンがそういうと、蘭たちは笑顔で拍手した。
彼の推理通りで、元々この部屋にいた被害者役の人と、一時的に部屋を入れ替わって、訪ねてくる探偵達を騙して迷わせろという指示が蘭と園子に出ていたのである。
そこにたまたま世良が遭遇し、事情を把握したってワケだ。
やはり彼は相当な頭脳の持ち主である。
その後も種明かしで話に花を咲かせていると___
「誰だ!?」
急に世良が廊下に向かって叫んだのだ。
Aは戸を開け、周囲を確認しても誰もいなかった。
「今、扉越しに誰か覗いてた…って思ったけど気のせいか…」
そう言って、彼女は戸を閉めた。
しかし、Aは今始まったわけではない、謎の気配がする方向を睨みつけていた。
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つむぎ(プロフ) - まゆさん» コメントありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2019年6月26日 20時) (レス) id: a3594e8b9c (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2019年6月26日 10時) (レス) id: 76d368eb20 (このIDを非表示/違反報告)
つむぎ(プロフ) - 月兎さん» ありがとうございます!まったり更新していくので、気長にお待ちください!! (2019年5月12日 10時) (レス) id: a3594e8b9c (このIDを非表示/違反報告)
月兎(プロフ) - 素晴らしすぎます…更新頑張ってください! (2019年5月11日 23時) (レス) id: 45fce474d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:つむぎ | 作成日時:2019年4月18日 2時