研究員はポアロにいる

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気にしないようにしよう、と思えば思うほどやはり気になってしまって。



小学生とは思えぬ言動。


周りを真実へと導く為の誘導。


｢眠りの小五郎｣の際には見当たらない姿。


そして蘭から聞いた、工藤新一が居なくなった日。
それと｢江戸川コナン｣が現れた時期との一致。



ここまで来たら、ひとつの仮説を考えざるを得ない。



江戸川コナンと工藤新一は同一人物ではないか＿＿



都合がいいことに、Aは科捜研の研究員。
DNA鑑定をすることは容易い。

しかし、2人の指紋をどう手に入れるかが問題だ。
江戸川コナンはともかく、工藤新一の指紋をどうするか＿＿＿







＊＊＊







｢まさか、こんな簡単に手に入るとは…｣




そう言いながら、Aは、先日借りた本を科捜研のとある機械にスキャンをかけた。


プラスチックなどの素材は、何ヶ月かで指紋は消えてしまうが、紙は別。
何十年も消えずに残ってしまうのだ。


コナン曰く、工藤新一はこの本を何度も読んでいたみたいで、思ったより簡単に指紋は採れた。
江戸川コナンの指紋と共に。




｢あとはコンピューターで照合するだけね…｣




パソコンには照合中…の文字。
あと数分後には結果が表示されるはずだ。







＊＊＊





｢…照合完了。99.9%一致…どうやら勘は外れていなかったようね。科学的にはありえないけれど。｣




Aはプリントアウトした資料を大事にしまい、研究所を立ち去った。









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