story6 ページ20
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「___お別れだ、Aちゃん…」
「…待って」
「…またな。君は優秀だ。しっかりやっていけるよ。」
Aの言葉にひとつも耳を貸さず、彼はくるりと背を向け、歩み始めた。
「___待って!」
こんなに叫んでも、彼は足を止めない。
パッと振り返ってニコリと微笑むだけ___
「___さん!…Aさん!」
コナンの呼ぶ声で目が覚めた。
キョロキョロと周りを見れば、コンパートメントの中だった。
「…いたっ!!」
後頭部にじんわりと痛みが走り、思わず頭をおさえた。
スタンガンか何かで気絶させられたのだろう。
「大丈夫?無事で良かった…何度電話しても繋がらなかったんだ…」
コナンは安堵の表情を浮かべた。
ふとスマホを見ると、ホーム画面は彼からの不在着信の通知で埋め尽くされていた。
「ところで、何があったの?」
「…あの後、蘭ちゃんたちの部屋へ行こうとしたら、廊下で安室さんに会って__」
「安室さんに会ったの!?」
「うん…急に後ろからスタンガンで気絶させられて…気づいたらここにいたのよ。」
彼のリアクションから察するに、安室はクロだったのだろう。
前々から妙な違和感があったが、Aは、まさか組織の仲間だとは思わなかった。
彼いわく、灰原はもちろん、他のみんなも無事だという。
「安室さん…いや、バーボンとベルモットが乗ってたんだ。灰原の始末のために。」
電車を降り、駅のホームでコナンはそう言った。
すると、彼の携帯から着信音が鳴り始めた。
「悪い悪い…何か超やばかったらしいな…」
「聞いてねぇぞ…拳銃に爆弾になんなんだ?あの危ねぇ奴らはよ…」
彼の電話の相手は、どうやら今回の秘密兵器、怪盗キッドらしい。
「文句を言うなら、オメーの変装を見破ったAさんに言うんだな!…あ、その携帯ちゃんと探偵事務所に送ってくれよな」
まだ怪盗キッドがブツブツ文句を言っている声が聞こえたが、彼は電話を切った。
「ねぇ、なんでメイドさんが怪盗キッドの変装だって分かったの?」
みんながいるので、コナンモードに切り替わった彼は、Aを見上げて尋ねた。
「なんとなく」
Aがニヤリと笑ってそう答えると、彼も同じように笑った。
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つむぎ(プロフ) - まゆさん» コメントありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2019年6月26日 20時) (レス) id: a3594e8b9c (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2019年6月26日 10時) (レス) id: 76d368eb20 (このIDを非表示/違反報告)
つむぎ(プロフ) - 月兎さん» ありがとうございます!まったり更新していくので、気長にお待ちください!! (2019年5月12日 10時) (レス) id: a3594e8b9c (このIDを非表示/違反報告)
月兎(プロフ) - 素晴らしすぎます…更新頑張ってください! (2019年5月11日 23時) (レス) id: 45fce474d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:つむぎ | 作成日時:2019年4月18日 2時