♯4 ふいの影 ページ7
全く、毎日が嫌になる。
「やだー制服ぬれちゃーう」
「よっしゃ、今日部活オフじゃん!」
・・・
私はすかさずヘッドフォンをつけ、周りの世界を遮断する。
周囲のことは考えたくないし、他人とは一切関わりたくない。
学校は少し前まで行ってたが、馬鹿バカしくなって退学した。
小・中学校は普通に過ごしていたが。
髪が濡れる。
ヘッドフォンが壊れなきゃいいが・・・。
仕方ない、雨宿りするか。
私はひらりと屋根から下り、近くのコンビニで雨宿りをする。
できればもっと人が少ないところがよかったがヘッドフォンが壊れるよりずっとマシだ。
「わーー、ぬれるぅ〜〜!!」
・・・!?
あの女は確か・・・
まあいい、過去のことは考えたくない。
思い出すだけで心が痛む。
____だけど、悪夢というのは突然来るものだった。
「ねーねー、君何してるの?」
最悪だ。今すぐこの場から消えたい。
「ねぇってばーー」
しつこい。というか馴れ馴れしすぎる。
何で知らない人間に対してこんなにグイグイ来れるんだ・・・?
全く、神経の構造が見てみたい。
「・・・別に何も」
私は女に目を合わせないようにして、それだけ言った。
「あれ?傘持ってないのー?」
顔を覗き込むな!
私は黒いスカーフに顔をうずめ、目を伏せる。
「折りたたみ貸したげよっか?」
じゃあなんで使わなかった!
それを見透かしたように、女が口を開いた。
「え、何で最初から傘使わなかったかって?一回やってみたかったんだよねー、
キャーって騒ぎながら雨の中必死に走って雨宿りできるところにスッとはいる、ってやつ!
ほら、なんか憧れない?」
全くわからん。そもそもほとんど聞いてないし聞く気もなかった。
「というわけで、はいっ!」
「・・・いらない」
「えぇーいいのにー」
そう言いながら、折りたたみ傘をグイッと押しつけてくる。
「ほらぁー」
しつけえんだよ!と叫びそうになるのをぐっとこらえ、私はとうとう我慢できなくなり、走って
その場を去った。
それにしても、まさか急に他人と関わらざるを得ないことになったとは・・・。
けど、あの女のことを少しずつ思い出してしまっているという現実からは
いつまでも目を背けることはできなさそうだ。
私はそう気づいてしまった。
〜 ♯4 ふいの影 END〜
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作者名:夜桜音羽 | 作成日時:2015年6月28日 18時