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♯34 飲み込まれる心 ページ39

部活では、新入生の勧誘とコンクールに向けての練習で必死だった。

ただ・・・

「Aちゃん、音汚い!!そんな音で曲練習しないで!!」

今の高1の先輩が引退して以来、1個上の先輩達が理不尽なほどに厳しくなった気がする。

『す、すみません・・・』
「チッ、何なんだよ急に威張りやがって・・・」

(ふう、良かった・・・)

自分の中の闇が声に出るのを 必死に制御するのもなかなか大変である。先輩や先生が相手だと尚更だ。


また別の先輩は、

「Aちゃんいつまで基礎練やってるの?時間ないからさっさと曲練移って!遅い!!」

『・・・はい』

「ったく、
『どうしろってんだよ・・・』」

また口に出てしまった。幸い周りに先輩達はおらず、自分の声が大きくなくて良かったと、こういう時だけ思う。






部活が終わると、実幸と帰り道を歩いた。


「A、大丈夫だった?今日の練習、結構色々言われてたけど・・・」

『まあ、何とか・・・。でも最近ずっとこんな感じだから怖いよ・・・』

「やっぱそう思う?
何か姉ちゃんが言ってたけど、これくらいの時期に先輩達が威張り出すのはよくある現象なんだって」

『そうなんだ・・・』

「うん。だから私達もそうならないように気をつけなきゃだね!まあ、かなり遠い先の話しだけどね!」

『アハハ!でも頑張ろうね』

「うん!じゃあね!」

『バイバイ!』

この程度で済めばいいと、私も実幸も思っていた。



次の日の放課後。

「時間ないから早く練習始めて!!」

いつものように、楽器や譜面を用意しする。



しかし私は見てしまった。

先輩達が練習もせず、ずっと部室でふざけている光景を。

(嘘でしょ・・・?)

確かに私は昔から、悪い意味でもこういう時に真面目だと言われているが、私達にあんなにキツく言っておいてこれは流石にひどいではないか。

「フン、所詮人間なんてそんなもんだろ。」
(ちょっと、何言って「『他人には散々言いまくって自分のことは棚に上げる。結局は自分さえ良ければそれでいいと思ってんだよ』」

先輩達はまだ、誰かの悪口を言ってるような甲高い笑い声を上げている。

___「こんな部活、無理して続ける必要あんのか?」
『いや、無いかもね』

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作者名:夜桜音羽 | 作成日時:2015年6月28日 18時

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