言葉の意味なんて ページ11
『ただいまー。』
「おう、遅かったな。」
部屋のドアを開けると、休憩していたのかスマホをいじりながらわたしを見あげる。
『コンビニでね、ローくんに会った。あ、はい これキッドの。』
｢お、サンキュ。｣
わたしから袋を受け取ると、「ローくん？誰だソイツ」と言いながらガサガサと音を立てながら唐揚げ棒を取り出す。
『あの新入生のイケメン。』
「あ〜。あのクソ態度悪かった奴。」
『そんなこともなかったけどな。』
唐揚げ棒をもしゃもしゃ食べているキッドの向かいに腰を下ろし、わたしも袋からアメリカンドッグを取り出す。
『勉強進んでる？』
「ま、うるせェのがいなかったから捗ったな。」
『ソレハヨカッタデスネー。』
「くく、なんだ、反論しねェのか？」
ご飯を食べてひと息つき、再び勉強に集中した。
『ふぅ、』
結構真面目にやったな、と思って息を吐く。
向かいのキッドをふと見れば、彼もこちらを見ていたのか目が合った。
『？……なに？』
「いや なんでもない。」
『え、なにその超気になるやつ。』
「何でもねェよ。そろそろ帰るか？」
『もうそんな時間か、んじゃあお暇しようかな。』
広げていたノートやら教科書やらをまとめて、鞄にしまう。
「なぁ、」
『んー？』
鞄の中きったな！とか思いながら、キッドの言葉に顔を見ず答える。
「…おまえ、あいつのこと好きなのか？」
『へ？』
あいつってどいつ？
聞かれた瞬間、頭にハテナが浮かんだ。
「あいつだよ あの生意気なヤツ。」
『ローくんのこと？』
「そいつ」
『が、どうしたの？』
「だから、好きなのかっつってんだよ。」
いつにない真面目な顔でキッドは、わたしがローくんのこと好きなのか気になる様子だけど。
まてまてまてまて。
まだ知り合ったばっかりだし、一個下だし(関係ない)好きになるとかありえなくない？
てかそんな要素あった？←
『なんで？』
やべ、質問を質問で返してしまった。
「なんとなく。」
『それじゃあキッドの�爐覆鵑箸覆��瓩呂�かしいね。』
「意味分かんねェ。」
『ローくんは普通の後輩、かな。』
「ふーん……まぁいいわ。」
キッドの中でその話はもう済んだのか、どうでもいいかみたいな顔をして送ってくと一言言った。
帰り道はいつもみたいに普通に話して帰宅した。
あ、そいえば、ローくんにも�犁い鬚弔韻蹐茘瓩箸�言われたけどなんだったんだろ。
……今日は謎だらけだなあ。
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作者名：成瀬 | 作成日時：2022年4月12日 14時
