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|【ぴらの視点】 ページ24

「……○○ちゃんのタイプなん?」
『……はい。』
「……俺が?」
『……そうです…。』


こんな漫画みたいなんあるんか?

自分がちょっといいな、タイプだな、と思ってた子が
自分をタイプだなんて。


「……俺も、」
『え?』
「…○○ちゃんをタイプや、言うたら…どう思う。」
『えっ、え、え…っ…?』
「なんでそんな驚くんw」
『いや、こんな…漫画みたいなこと…。』
「ははっ、俺も同じこと思っとったw」


なんやこれ、めっちゃ楽しいやん。
目の前の○○ちゃんは照れながらも楽しそうに笑った。

敬語はなるべく無くすように頑張る、とのことで
再び食事を楽しんだ。



『ふーーお腹いっぱい!美味しかった〜!』
「喜んでもらえて良かったわ。」
『うん!そしてご馳走様、この間もみなさんに奢っていただいたのに…。』
「ええんよ気にせんで。」
『今度は私が奢りますからね!』
「楽しみにしとるわ。」


次があることに浮かれてしまう。
○○ちゃんはきっと無意識に言ったんだ思うけど。

時間を確認すると、時刻は19時半を過ぎたところ。


『…このあと、どうします?』


○○ちゃんもちょうど時間を見とったみたいで、俺の方を向く。


「○○ちゃんがまだ大丈夫やったら少し歩くか?」
『うん!大丈夫です!』


ほないこか、と○○ちゃんに微笑む。
ヤバイ、ナチュラルに手ぇ繋ごうとしてしまったわ。

危ない危ない、と自分を落ち着かせる。



「…大阪どうや?まだ今日来たばっかやけど。」
『いいとこです。東京とはまた違った空気で、みんな楽しそうで。関西弁も心地いいです。』
「…ならよかったわ。」

『……ぴらのさん。』
「ん?」
『……また、会いたいです。』


月夜に照らされて、○○ちゃんの瞳が俺を捉える。
酒も入ってるから、より憂いを帯びていてドキリとした。


「…また、会おな。」


そう伝えると、途端に笑顔になり、はいっ!と答えた。

また会いたいと思って貰えてたことが嬉しくて。


『……今日はありがとう。すっごく楽しかったし美味しかった!』
「こちらこそ、楽しかったわ。……あ、そや、」
『?』
「…せっかくやし、LINE交換しとこ。」
『あ、うん!』


「ほな、また連絡すんな?」
『うん、わかった。おやすみなさい。』
「明日も仕事頑張ってな!」
『頑張る!』


じゃあ、と言って片手を上げ、俺は駅に向かって歩いた。

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作者名:成瀬 | 作成日時:2022年1月20日 13時

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