2回目のドキドキ ページ22
林くんとご飯を食べたあと、ふと携帯で時間を見ると、
仕事の時間が近くなっていることに気付き林くんに声をかける。
「んじゃ、そろそろ行きますか！営業任せてください！」
『ふふ、頼もしいわ。』
取引先の方と会い、すんなり事が進み無事役目を果たせた。
ひと安心し、林くんと笑い合う。
『ふーひと安心！林くんありがとう！』
「いえいえ、嶋田さんの的確な説明のおかげですよ！」
『ふふ、よかった。』
ルンルン気分でホテルに向かう。
けど私は忘れていた。この後こそ重要な時間なのに。
「嶋田さんこのあとどっか行くんですよね？」
『えっ！あ、う、うん…！』
「いいですねえ！楽しんでくださいね！」
気が付くとホテルに着いていて、それじゃまた明日！と林くんは部屋へと向かっていった。
『……。』
16:05
身なりを整えるには十分な時間。
とりあえず、私も部屋に帰ろう。
一応、私服の方がいいかなと思って、
仕事着とは別のコーデを組んできた。
シャツワンピースにデニムを合わせて、髪を緩く巻き直し1つにまとめる。
大ぶりのゴールドのピアスを付けて、後れ毛もしっかり巻く。
ぴらのさんと前回会ったときよりは、大人かわいいをイメージしてみた。少しでも可愛いと思ってもらいたくて。
鏡の前で息を吐く。
『よし。大丈夫。』
ぴらのさんに再度連絡をする。
「あいよ。」
『もしもし！』
「はは、元気ええなw」
『あ、ごめんなさいw
一応準備出来ました。ぴらのさんは？』
「俺なあ、今駅近くにおんねんけど、ホテルもその辺だったりする？」
『あ、はい！近いです！』
「ほなすぐ合流できるな。駅前待ち合わせでええ？」
『大丈夫です！向かいますね。』
電話を切り、部屋を出る。
ドキドキした胸を落ち着かせて、エレベーターに乗り込む。
足取りが軽いのは、……やはり好きな人に会うからだろうか。
ぴらのさんも同じ気持ちだと、いいけれど。
なんて、今日で会うのが2回目の女にそんな感情抱くのは早すぎるかもしれない。
まして、ぴらのさんは配信者の方で、ファンもたくさんいる。
『浮かれすぎも、……だめよね。』
とにかく、楽しみなものは楽しみだし。
引き続き軽やかな足取りでホテルを出た。
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作者名：成瀬 | 作成日時：2022年1月20日 13時
