[短篇] In The New World IV [APH]

Canada ページ18

｢カナダさん｣

｢わ、Aちゃん。久しぶり｣

カナダ、って知ってますか？
アメリカのお隣の大きめの国。

｢お久しぶりです。今日はカナダさんの名前の由来の話でも聞こうかと思いまして｣

私はあの国に魅せられた1人である。大学では現場検証だとか、てきとうな理由を付けてカナダに来ては彼に話を聞いている。

｢わ〜…懐かしいなぁ、僕ちゃんと覚えてるかなぁ｣

｢大丈夫ですよ、曖昧でも。貴方の口から聞けることに意味があるので｣

｢本当？じゃあ頑張るね｣

咳払いを1つ。
國は笑って口を開いた。

｢1535年かな？ふたりのインディアンの若者が、フランスの探検家ジャック・カルチエに"カナタ"への道を教えたんだけど、その時、ふたりはスタダコナの村のことを言っててね、カナタ"は、ヒューロン・イロクォイ族のことばでは、単に"村"や"村落"のことをさすもので、別の言い方がなかったから、カルチエはスタダコナの呼び名としてだけじゃなくて、種族の酋長ドンナコナの土地全体を"カナダ"ということばで呼んだんだよ。｣

すらすらと飛び出た言葉に笑顔が浮かんだ。一通り話し終わった彼は一息ついて小首を傾げた。

｢ありがとうございます、これでちゃんとレポートに明記できます｣

｢お役に立てて何よりだよ｣

｢Aちゃん、僕のこと知ってくれてありがとう。僕…嬉しいな｣

｢ふふ、当たり前でしょう。私はこの美しいカナダという国に魅せられたのですから。｣


カナダ、って知ってますか？
アメリカのお隣の大きめの国。

私はこの国に魅せられた。

｢私は貴方のことが知りたくて生きてると言っても過言ではないのです。｣


君のためならはるか彼方へと。

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わからん。

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