Iceland ページ15
彼女はパンドラだった。
「…なに、その顔」
「別に」
災厄のもととして送り込まれたパンドラに似ているのだ。
顔が、とか性格が、とかじゃなくて存在が。
「アイスランドってさぁ、冷たくない?見てよ。みんなこんなに争ってるのに。」
私のために争ってるのに、君は争わないで隣にいるわけ?
鼻で笑った彼女は悠々と足を組み、口論や殴り合いに発展したのを見下している。
みんな大人なのに、情けない。なんて僕は思うけど。
「Aはさ、性格悪いよね」
「どうもありがとう。性格悪いって言葉は、私にとって最高の褒め言葉だから意味無いよ」
「は?何?性根が腐ってるわけ?」
「ふふ、そうだよ。腐敗してもう、駄目になっちゃったの。」
「ふーん、なんでああやっておじさん達を唆したの?」
「なんでだと思う?」
「僕に聞かないでよ。しらない」
「私も知らないよ。気がついたらそそのかしてて、寝ちゃってたんだよね」
「…そういうの、聞きたくなかった」
けらけらと笑って僕の背中を叩く。1番の好みはスーさんかなぁ、優しかった。なんて言いながら意味の無い戦いに愛想を振りまいた。
「Aの口からそういうの聞きたくない、っていうか…気持ち悪いから僕にこれ以上近寄らないで」
「ふふ、純粋ぶっちゃって。アイスランド、君も彼らと同じだよ。根っこは」
「…気持ち悪い。本当に僕に関わらないで。」
「本当は関わってほしいくせに。素直になれない君が愛おしいな。」
彼女はパンドラだった。
災厄のもととして送り込まれたパンドラに似ているのだ。
顔が、とか性格が、とかじゃなくて存在が。
ほら、もっと私のために争ってよ。
災厄はそう囁いた。
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路(プロフ) - 藤子さん» めちゃめちゃ読んでるね…ありがとう… あれね…神話理解してないと分からないかなって思いながら書いてたんだけどご理解頂けて嬉しいです。へへへ、その言葉めちゃめちゃ嬉しい (2018年8月31日 7時) (レス) id: fae735e792 (このIDを非表示/違反報告)
藤子(プロフ) - 今アイス君のお話(パンドラのやつ)読み返してて、やっと全てが繋がりました…。路ちゃんの作品はやっぱり、読み込めば読み込む程取り込まれる作品だね!! (2018年8月31日 1時) (レス) id: 0149d3e70e (このIDを非表示/違反報告)
路(プロフ) - ユティカさん» 早速見てくださってありがとうございます!神なんか!そんな畏れ多い… 模試でしたか!頑張ってください! (2018年8月26日 8時) (レス) id: fae735e792 (このIDを非表示/違反報告)
ユティカ - あぁもう…神ですか!?あなた様は神様ですか!?すっごいすきです…!これから模試なんだけどすっごいやる気出ましたぁあ…!ありがとうございます! (2018年8月26日 7時) (レス) id: 75a1a6830c (このIDを非表示/違反報告)
路(プロフ) - ユティカさん» コメントありがとうございます。文体が好き…めちゃめちゃ嬉しいです。 リクエスト!!カナダくん!久しぶりだ…、頑張ります。 (2018年8月24日 22時) (レス) id: fae735e792 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:路 | 作成日時:2018年8月15日 20時