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# ページ48

「でも、お兄さんの目の色にそっくり。」

本当に綺麗。なんて"ヴァニューシャ"を見上げるとそれに賛同するようにこくこくと何度も頷いた。

「んだよ、褒めても何もやらねぇからな」

「ふふ、ギルベルトくんにやけてるよ」

「だーッ!うるせぇ!俺様はにやけてなんかないんだよ!」

頬が赤く染まった"ギルベルトくん"は私の手からルーペを取り、ルビーを箱の上に置かせた。
その手は目をみはるほど白く、繊細な肌をしている。

「他には?」

「え?」

「他に見たいものとか、ねぇのかよ」

久々の客だから特別だ、と顔を顰めた彼は紅茶とともに運ばれてきたクッキーに手を伸ばす。

「ん〜…アレキサンドライト?って言うやつが見てみたいです!色が変わるって聞いたことがあるので」

「あ〜…じゃあGV-62」

その言葉を合図に"ヴァニューシャ"は再びベルベットの箱を片手にやってきた。
もう片方の手には何やらペンライトが握られている。

「どうぞ」

優しい手つきで箱を開けた"ヴァニューシャ"はこの色みてて、と微笑んだ。コバルトブルーの石が静かに照明を反射させる。
ゆっくりとライトを当てればその石は薄い紫に変わった。

「わぁ…!」

「その石は俺様1番のお気に入りでよ、インクルージョンが少し多いから最上級とはいかねぇが、レアなんだよ」

「それで?なんでこの石がお気に入りなんですか?」

「…あ〜、好きなやつの目の色?に似てて、そいつがいない時とかもその石見てると頑張れるんだよな、多分」

恥ずかしそうに笑った"ギルベルトくん"は思い出したように顔を上げ、首を大きく横に降った。

「あ"〜ッ!!今のナシ!全部忘れろ!!」

「ふふ、あとでその話詳しく聞かせて?ギルベルトくんっ」

"Einsamkeit"(孤独の店)には、柔らかな冬日が差し込んでいた。

__

幸せすぎてこわい

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(プロフ) - 藤子さん» おひゃあ、嬉しみ。あの世界観はめちゃめちゃスーパー性癖(語彙力)だからもうありがたいっていうかすごい好きです…()また合作しましょうね〜!! (2018年11月29日 22時) (レス) id: fae735e792 (このIDを非表示/違反報告)
藤子(プロフ) - 読んだ!!!私なんかの思いつきを文にしてくれてありがとう!!!!! (2018年11月29日 22時) (レス) id: 771e5159cf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年9月16日 17時

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