かけがえのある世界。【灼熱カバディ】 (ページ15)

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次の日。

「カバディ！！」

宵越くんは1、と数字を言いながら水澄先輩を避ける。

「3！！」

「あっ…」

宵越くんと畦道くんがぶつかる。

「悪りいヨイゴシ！！」

「よく聞いとけバカヤロウ！！」

今の、畦道くんのミスなんだ…サインってこと…？

・

「お先ー」

サインがあったからか、負けたものの点差は縮まってる。

「くそッ…」

「お疲れっした！！」

・

「二年チーム先攻で試合開始ー！！」

その声を合図に、水澄くんは陣地に入る。

「………！」

近い…！

宵越くんは、少し手を伸ばせば届いてしまうであろう距離まで近付く。

宵越くんの反射神経は確かにすごいけど

「カバディ！！」

水澄くんは宵越くんを力強くタッチしようとする。

でも、宵越くんはそれを避けた。

「5！！」

「おう！！」

宵越くんがまた大声で数字を言い、畦道くんの足をタッチしようとしていた水澄くんは避けられてしまう。

「カバディ…」

水澄くんは後ろに下がり、2人をコート際に寄せようとする。

「4！！」

そう宵越くんが言うと、巧みに動き、畦道くんとぶつからないようにした。

お、今のは…

「カバディ…」

水澄くんは点を取らずして自陣へと帰って行った。

「は…初めて逃げきった！！」

「倒さねーと点にはならん。こっからだ！！」

次は宵越くんの攻撃だ。

「カバディ…カバディ…」

「よく考えるよなサインとか…宵越…お前は頭のキレる奴だよ。だからホントは気付いてるだろ？連携のベストなカタチってヤツにさ」

そう言って、伊達くんは水澄くんの腕をギュと握る。

「カバディ…カバディ！！」

宵越くんが気づいた時には、水澄くんと伊達くんの鎖は切れていた。

「問題だ、宵越。守備の1人おれが両手をフリーにした時…もう1人真の守備がとるべき行動は？」

「カバッ…」

宵越くんは左脚を掴まれ、右脚を取られ、引っ張られて倒された。

「あちゃー…ドンマイヨイゴシ！！」

「チッ…守備でとるぞ…」