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「海外メーカーのオプチプロテイン
手に入れてな…」
「うそ!!今日飲み行っていい!?」
「おらも………ん?」
言い終わる前に畦道くんのポケットからヴーッと携帯の着信音が鳴る。
「クラスの女の子からメールだ…」
あらあらあら。畦道くん、モテるの?
少しどきどきしながら私は畦道くんの携帯を覗く。
〈今朝会った宵越君ってどんな人!
よかったら紹介してほしいなー!!♡〉
「おぉ…こういうの初めて見た…」
「ヒュー!こ〜のスケコマシ!!そいや宵越、カノジョいんの?」
「じゃ、邪魔なだけだそんなモン」
宵越くん、顔かっこいいのに彼女いないんだ。
「いやぁみんな独り身か。寂しいねぇ」
「水澄もこの前別れたしな」
「つまんねー。じゃ彼女いんのは…畦道だけかー」
水澄くんは畦道くんの肩を組みながら言う。
前を歩いていた宵越くんが一瞬にして振り返る。
「田舎のコだろ?遺距離でも彼女大切にな!!」
「う…うす!頑張ります!!」
畦道くんは照れながらそう返事をする。
「畦道くん、彼女いたんだね!初めて知った」
「あれ、比羅川サンこの話してる時居ませんでしたっけ?」
水澄くんが記憶を探るようにそう言う。
「そんな印象的な話1回聞いたら忘れないよ」
そう話していると宵越くんがいつの間にか私たちよすぐそばまで来ていた。
「かか…彼っ女の写真とかあるのか?」
「あっけど…見せんのは照れくせぇべ…」
「殺すぞ」
「な…何怒ってんだ?」
「怒ってない。いいから見せろ」
畦道くん…可哀想に。
「ほれ、このコ…」
畦道くんは照れくさそうにしながら写真を見せる。
そこに映っていたのは、畦道くんが彼女をお姫様抱っこしている姿だった。
「わぁ!彼女さんめちゃめちゃ可愛い!美人!」
私も見ながら思わずそう言ってしまう。
「死イィーーね"ァァーッ!!!」
「何で!?」
宵越くんが畦道くんに殴りかかろうとする。
それを水澄くんと伊達くんが慌てて押さえる。
「落ち着け!!俺も最初驚いたケド!!」
「止めんなーーッ!!全男子のためにコイツはここで殺す!!」
「なんだその使命感!!」
「クク…クッゲホッ!!」
・
「だから別れろって!!遠距離なんて無理だろ!!背も高いし俺の方がお似合いな感じじゃねーか!?」
「別れねぇよ!!大きさとか関係ねぇべ!?大事なのは固く繋がってる事だべ!!!」
こうしてカバディ部親睦買い物作戦は幕を閉じた。
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作者名:神崎 奏 | 作成日時:2021年7月23日 13時