４２話 おかえり ページ44
〜五年後。日本〜
【Ｎоside】
「んー！ついた〜」
長くなった黒髪を揺らしながら少女…いや、彼女は背伸びする。
「母さん、父さん。私、雷門中学行ってくるね」
「わかったわ。荷物は？」
「持って行っといて！新しい家に」
そう言って彼女は手ぶらで雷門中学に向かって歩き出す。
「あれ、」
雷門中につくと門の前に人が立っていた。
ずっと見ていた髪色。中学校の頃、無我夢中で追いかけていた後ろ姿。
彼女は、うれしくなってその人にゆっくりと近づいていく。
そして、後ろからその人の両目を手で覆う。
「だーれだ！」
「えっ……！？」
彼女は慌てるその人を見てクスッと笑う。
その人は振り返って彼女のほうを見る。
「え―――」
声が出なくなる彼を見て笑みを零す彼女。
「ただいま。一朗太！」
一朗太と呼ばれた彼の瞳から一筋の涙が零れる。
「え……」
彼女は一瞬驚いた顔をしてから、フッと微笑む。
「ごめんね。いっぱい待たせて」
一朗太は、彼女を抱きしめて、名前を呼ぶ。
「ん？」
「おかえり。A」
彼女は、その言葉に嬉しそうに笑う。
そして、二人はお互いの顔を見つめあって、そっと唇を重ね合わせる。
＊ ＊ ＊
風丸くんへ
いきなり手紙なんて書いてごめんね。
風丸くんがこの手紙を読んでるとき、私はもう空港にいると思います。
風丸くんだけだよ？私の家までお別れの言葉を伝えに来なかったの(笑)
風丸くん。風丸くんは私との関係どう思ってた？
風丸くんにとって私はただのキスフレだった？
私、ほんとはアメリカになんて行きたくない。風丸くんと、みんなと
ずっと一緒にいたい。ほんとは、あの時そう言いたかったの。
でも、言っても仕方ないって思って、言わなかった。
風丸くんと私は、恋仲になんてならないってずっと思ってた。
でも、それ違ったね。
風丸くんのこと、私すごく大切だよ。
こんな書き方だと、きっと伝わらないね…
私は、風丸くんのことが好きです。
ずっと見てきたのも、追いかけてきたのも、風丸くんだったんだよ。
風丸くん。大好きです。
いつもありがとう。キスフレになったこと、私はあんまり後悔してないよ？
だって、風丸くんのことが好きだって気づけたのも、風丸くんと仲良くなれたのも、全部今までの関係があったからだと思うから。
ありがとう。
好きです。
またね。。
Aより
＊ ＊ ＊
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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西 - この方角に福があるはずです
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神崎 奏(プロフ) - yuriさん» ありがとうございます！とっても嬉しいです！！ (2018年12月3日 15時) (
レス) id: 3c3fe50db5 (このIDを非表示/違反報告)
yuri - 面白かったです！応援してます！！ (2018年12月3日 0時) (レス) id: cbe69faa9b (このIDを非表示/違反報告)
神崎 奏(プロフ) - アレスさん» ありがとうございます！更新頑張ります！！少しでも楽しんでいただけるように頑張ります！ (2018年11月2日 21時) (レス) id: 3c3fe50db5 (このIDを非表示/違反報告)
アレス - とても面白いです！更新頑張ってください！ (2018年10月30日 23時) (レス) id: 73833a43c9 (このIDを非表示/違反報告)
神崎 奏(プロフ) - いさきさん» コメントありがとうございます！そう言ってもらえるとすごく嬉しいです！これからも頑張ります！ (2018年10月24日 23時) (レス) id: 906f3d7dcd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神崎 奏 | 作成日時：2018年7月23日 0時
