３５話 ショートボブ ページ37
チョキチョキ。
ハサミで髪の毛を切る音が耳元でする。
「それにしても、バッサリいったわねぇ…」
秋ちゃんが毛先を切りそろえながら言う。
確かに…ちょっと切りすぎたかも…
長さもバラバラだし……
「一番短い髪に合わせてバッサリ切っちゃっていいよ」
「え…いいの？」
「うん。別にのばしてたわけでもないし」
私はそう言いながら横目で風丸くんを見る。
「だから、心配しないでいいし、気も使わなくていいし、風丸くんが気に病むことでもないから、練習に戻っていいよ。っていうか、怪我してるんなら家に帰って休んだら？」
そう言うと風丸くんはムッとしたような顔になる。
「そんなこと言われても、帰ったらもっと心配になって休めないだろ…！」
「何で…？」
「そ…れは……」
風丸くんが口ごもる。
「-----------っとりあえず、今日、送っていくから」
そう言って風丸くんは部室を出て行った。
………なに、あれ…意味わかんない。
「フフッ……Aちゃん、愛されてるわね」
秋ちゃんがクスッと笑いながらそう言う。
愛されてる？？ないない。
むしろ、どっちかというと嫌われてる気がする。ここまで迷惑をかけると、さすがに。
「風丸くんがあんなにムキになってるところ、サッカーをしている時以外で見たことないもの」
「…………そ、う…だね…」
風丸くんは、いつだって優しい。
優しいからこそ、こんなことに巻き込んでしまう。
「……？…よしっ。出来たよ」
秋ちゃんは、何かを聞きたかったようだけど、私が聞いて欲しくないことを察したのか、何も聞いてこなかった。
「あ………ありがとう」
秋ちゃんから鏡を受け取って、自分の姿を見る。
ショートボブだね、見事な。
「ありがとう。秋ちゃん。じゃ、練習行こっか」
風丸くんへの想いは、絶対に誰にも言わない。
風丸くんにも。誰にも。
私と風丸くんは、キスフレ。
それ以上にも、以下にもなれない。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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神崎 奏(プロフ) - yuriさん» ありがとうございます！とっても嬉しいです！！ (2018年12月3日 15時) (
レス) id: 3c3fe50db5 (このIDを非表示/違反報告)
yuri - 面白かったです！応援してます！！ (2018年12月3日 0時) (レス) id: cbe69faa9b (このIDを非表示/違反報告)
神崎 奏(プロフ) - アレスさん» ありがとうございます！更新頑張ります！！少しでも楽しんでいただけるように頑張ります！ (2018年11月2日 21時) (レス) id: 3c3fe50db5 (このIDを非表示/違反報告)
アレス - とても面白いです！更新頑張ってください！ (2018年10月30日 23時) (レス) id: 73833a43c9 (このIDを非表示/違反報告)
神崎 奏(プロフ) - いさきさん» コメントありがとうございます！そう言ってもらえるとすごく嬉しいです！これからも頑張ります！ (2018年10月24日 23時) (レス) id: 906f3d7dcd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神崎 奏 | 作成日時：2018年7月23日 0時
