２７話 叶わない恋 ページ28
急に泣き出した私を見て風丸くんが驚いたように目を見開いた。
「雪村……？」
気づきたくなかった。
好きになっても無駄だってわかってるから。
絶対に叶わないから。
「ごめん……ごめん、ね……っ」
涙を止めようとして何度も拭うが、とめどなく溢れ出てくる。
「……どうして、泣いてるんだ？」
わからない。どうして自分が泣いてるのかも、わからない。
声を発せずに泣いていると、風丸くんが私の腕を引いた。
私の体は風丸くんの腕の中にすっぽり収まった。
「かぜっ……まるくん。服、汚れちゃう」
私がそう言うと、風丸くんは大丈夫だというように抱きしめる腕の力を強くした。
風丸くんの匂いが鼻をくすぐる。
この匂い、安心するな……
そう思いながらゆっくりと目を閉じる。
・・・・・・・・・・
「ん……」
目を覚ますと、そこは自分の部屋だった。
ゆっくり体を起こしてみると、手に何かを握っている感触があることに気がつく。
手元を見ると、そこでは風丸くんが私のベッドに突っ伏して寝ていた。
私、風丸くんの手を握って寝てたの！？
時計を見ると、朝の６時２５分だった。
朝の……！？
ちょっと待って。私、もしかして泣き疲れて風丸くんの腕の中で寝ちゃったの……？
やっちゃった……
っていうか、家まで運んでもらったのかな……？申し訳ない。
「風丸くん……」
でも、一晩帰らずに、一緒にいてくれたんだ。
ドキンッ。
「—————っ……」
やめてよ。そういうことするの。期待しちゃうでしょ……？
「好きだよ……」
そっと声に出して、寝てる風丸くんに言う。
「……んっ」
その時、風丸くんがそっと目を開いた。
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神崎 奏(プロフ) - yuriさん» ありがとうございます！とっても嬉しいです！！ (2018年12月3日 15時) (
レス) id: 3c3fe50db5 (このIDを非表示/違反報告)
yuri - 面白かったです！応援してます！！ (2018年12月3日 0時) (レス) id: cbe69faa9b (このIDを非表示/違反報告)
神崎 奏(プロフ) - アレスさん» ありがとうございます！更新頑張ります！！少しでも楽しんでいただけるように頑張ります！ (2018年11月2日 21時) (レス) id: 3c3fe50db5 (このIDを非表示/違反報告)
アレス - とても面白いです！更新頑張ってください！ (2018年10月30日 23時) (レス) id: 73833a43c9 (このIDを非表示/違反報告)
神崎 奏(プロフ) - いさきさん» コメントありがとうございます！そう言ってもらえるとすごく嬉しいです！これからも頑張ります！ (2018年10月24日 23時) (レス) id: 906f3d7dcd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神崎 奏 | 作成日時：2018年7月23日 0時
