第207話 ページ8
〈Aside〉
次の日。
モスクア・ルートベイメインスタジアム。
FFI決勝トーナメント1回戦、日本対フランス。
セレモニーが行われている中、私たちは試合に向けて待機する。
スタメンはもうすぐ入場だ。
他のイナズマジャパンのメンバーと監督、コーチ、マネージャー、子文くんはもうベンチにいる。
なのに、フランス代表がなかなか来ない。
「来ないぞ？」
「どうしたんだろう…」
会場もざわつき始めている。
«なんと！ただ今FFI運営サイドから驚くべき情報が入ってまいりました！»
「え……？」
«本日行われる日本対フランスはフランスの不戦敗となりました。繰り返します……»
その内容に、全員が顔を顰めた。
観客も不満の色を露わにしている。
私もタツヤと顔を見合わせる。
私たちは更衣室に集まる。
「フランスチームは全員、食中毒の症状を訴え、入院したとの事」
監督が私たちにそう告げる。
「FFI運営サイドこれをフランス側の健康管理能力不足が引き起こした自体とみなし、不戦敗どしたみたいです」
つくしちゃんがタブレットに視線を落としてそう言う。
「試合の当日に選手全員が食中毒って、そんなことあんのかよ」
剛陣が有り得ないというように言うが、私には心当たりがあった。
「「オリオン」」
明日人も同じだったようで、私と明日人は同時に呟いた。
「そう、オリオンが動いたんだろうね」
「まじかよ」
「オリオンは、僕たち日本が反旗を翻そうとしていることを把握している。そう考えると、今回のことは」
「日本への見せしめ、ですね」
野坂の言葉に西蔭くんが続ける。
「ああ」
「だからって、こんな事までするのか！？」
タツヤも珍しく怒りを露わにしている。
「フランスだって、ここまで勝ちぬくために、たくさんの努力をしてきたはずだ」
氷浦も……
「なにか、何か俺達には出来ることはないのか…」
明日人が悔しそうに拳を握りしめる。
「オリオンの悪事すべてを暴くことは難しいだろう。だが、フランスチームを救うことは、出来るかもしれない」
「え……」
▼
「ここにフランスの奴らが入院してんのか？」
「ああ」
「あのさ、潜入作戦って…病院なんだから普通にお見舞いに行けばいいんじゃない？」
明日人の言葉に私も激しく同意。
私たちはフランスチームの食中毒がオリオンの仕業だという証拠を掴むため、病院に潜入することになった。
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アルベルト - 242が２つあります (2020年5月12日 8時) (
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作者名：神崎 奏 | 作成日時：2020年4月25日 0時
