第236話 ページ37
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ピーッ。
明日人は敵をドリブルでかわし、突き進む。
「サンライズブリッツ！」
その先で待ち構えるガブリエラ。
既に彼女のサポーターからは火花が飛んでいる。
ガブリエラは痛みに顔を歪めている。
「だめっ！！！」
「真実の大口！」
これ以上は彼女が危ない！！
それでも彼女は止めようとする。全力で。
「うわぁああああああああ！」
「ガブリエラ！やめるんだ！」
叫び声を上げながら抵抗を続ければ次第にボールの威力は落ち、彼女の腕の中に収まった。
「ガブリエラ！！」
イタリアチームの悲痛な叫びが響く。
サポーターの威力により、ガブリエラの腕はボロボロになっており、そのまま倒れてしまう。
「っ………ひどい」
チームメイトが彼女の名を呼びながら駆け寄る。
重症で、ガブリエラは担架で外へ運び出された。
«ガブリエラ選手、退場です»
«相当重い怪我でしょうか…心配です»
「何だよ、これ！何なんだよ、これは！」
明日人が怒りを露わにして叫ぶ。
「落ち着け！明日人くん」
そんな明日人を野坂が制止する。
「落ち着いてなんかいられない！このままじゃ、みんな二度とサッカーができなくなる！」
「でも、一体どうしたら…」
私がそう言うと、明日人はゆっくりと口を開いた。
「一気に試合を終わらせるしかない。グリッドオメガだ」
グリッドオメガ、野坂や西蔭率いる王帝月ノ宮サッカー部の必殺タクティクス。
確かに強力な技だけど……
「既にダメージを受けている選手たちにとって、致命的なことになりかねない」
風丸も懸念している。
相手を動けなくすることはできるが、危険が生じ、根本的解決にはならない。
そんな提案をするなんて明日人らしくない。
「これでイタリアを助けるんだ。直撃させるんじゃない。新しい形で使って、みんなを気絶させるんだ」
「そうして戦えなくなったように見せかければ、試合は中止され、選手たちは助かる」
なるほど…
「方法はあれだな。真空波を食らわせて、気絶させてやればいい」
灰崎の言葉に私たちは頷く。
大丈夫。きっと上手くいく。
イタリア選手を、助けるんだ…！
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アルベルト - 242が２つあります (2020年5月12日 8時) (
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作者名：神崎 奏 | 作成日時：2020年4月25日 0時
