53. 久しぶりに会えて ページ3
「 Aちゃん！ こっち、あとよろしくね。」
「 はい！ 分かりました。すぐ、行きます！」
あれからはなんの変哲もない日々が続いて、
私がここに来てから 2ヶ月が経とうとしていた。
季節も秋が薄れてきて 冬が濃くなり始めてきて、
朝昼晩、羽織が欠かせなくなってきた。
仕事にもだいぶ慣れてきて、
今では看護師業務だけではなく、医療にもできる範囲で従事している。
「 こっち、用意できてます！ よろしくお願いします。」
「 了解！ そうだ。
玄関に患者さんの荷物が置きっぱなしだから、
持ってきてもらえる？」
「 玄関ですね。分かりました。取ってきます。」
助かるよ〜 というマコさんの可愛い声と笑顔に
もちろんです と笑って応え、玄関へと向かう。
最近はまた、忙しい日々が続いていた。
でもそれが、私にとっては良かった。
あの日から私は、
抱きしめられたことを 彼からもらった言葉を
思い出しては、顔を真っ赤にして悶々とする日々。
今、どうしているのかな。
元気にしているのかな。
… 会いたい、な。
そればかりで、何も手に付かなくなりそうだったのだ。
だからこうして忙しい日々を送っていれば、
一時だけでも忘れられる。
突然 会いに行って、
なにか用か？
そう言われるかと思うと、億劫になってしまって足が動かない。
用が無ければ会わないような、そんな関係だと言われてしまうようで、
少し臆病になっているのだと思う。
早く、一歩前に踏み出さなきゃいけないのは分かってるんだけど…
「 はあ… また、うじうじ悩んでる。もう、やめやめ！
今は、こっちに集中しないと。」
「 なにを悩んでる。」
「 なにって… そりゃ、ミン… 」
「 ミン…… なんだ？」
「 ミンギュさん…！」
頭に浮かべていた顔が
玄関近くの柱に寄り掛かりながら、こちらを見ている。
腕を組んで、怪訝な目をこちらに向けている。
久しぶりに会えたことの嬉しさと、
ここ最近の悩みの種である彼に対するなんとも言えない緊張で、
言葉に詰まってしまう。
「 相変わらず、元気そうだな。」
「 は、はい… ミンギュさんこそ、元気そうで、」
「 元気に見えるか？ ここ最近は忙しくて、疲れている。」
そう言われて
緊張できちんと顔を見れていなかった私は、まじまじと彼の顔を見つめる。
… ほんとだ。
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パリコ(プロフ) - いちごさん» ありがとうございます♡ これからのお話もぜひ、お楽しみにしていてくださいね。 (2月20日 18時) (
レス) id: db564d4a6c (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - ドキドキしながら拝見させて頂いております‥♡更新楽しみにしております^ ^ (2月20日 13時) (レス) @page3 id: 1f09b94a2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パリコ | 作成日時：2024年2月15日 12時
