52. ドキドキしてもお腹は空く ページ2
「 … Aちゃん、なにかあった？ ミンギュと。」
「 へ… ？ な、なにかってなんですか！ そんな、なにもないですよ！」
思ってもみないことを唐突に聞かれるもんだから、変な声を上げてしまった。
明らかに挙動不審。
誰がどう考えたって、なにかしらあったのだと分かる反応をしてしまう。
だって、さっきの今で平然を繕うことなんて できるはずがない。
ましてやこの私だ。顔がすぐに赤くなってしまう私は、嘘が苦手。
「 ふ〜ん。まあ、仲良くなれたなら良かったんじゃない？」
満足そうにこちらを見つめて、これでもかというくらいニヤニヤしてくる。
… これは、バレてる？
「 私のことは、いいですから！ それより、すみませんでした。
ご迷惑をおかけして… 」
「 気にしないで。僕は、心配するのが職業柄根付いちゃってね。
こっちこそ、変に心配し過ぎちゃってごめんね。」
「 いえ、ウヌさんがミンギュさんに言ってくれたんですよね？
だから、ちゃんと帰って来れたんです。
私ここら辺のこと、全然分からないから… 」
そう。助けが来てくれて本当に良かった。
実際、まだ土地勘が乏しいから
ちゃんと帰れるかどうかは心配だった。
マコさんも含め、見知った顔が現れたから安心できたのも事実。
彼の心配がなければ、不安でいっぱいだったかもしれない。
「 、そう？ そう言われると、少し照れるね…
でも 良かった。無事に帰って来れて。」
「 はい、私も良かったです。
… 今頃、野宿してたかも。」
「 … はは、それは困るね。
まあそうなったら、僕が探しに行くさ。」
それ、わざと言ってます？
そう聞いてしまわずにはいられないほど、
涼しい顔でさらりと、こんなカッコいい発言をしてしまう。
… イケメン、恐るべし。
「 さ、そろそろ夜ご飯の時間だよ。お腹、空いたでしょ？
中に入って ゆっくり食べようか。」
肩をポン、と叩かれ中に促される。
その熱にふと、彼に抱きしめられたことを思い出す。
まるで今も抱きしめられているみたいに、鮮明に思い出す。
どうしてか目頭が熱くなって、
胸のドキドキを隠すように自分の両肩を抱いた。
芽生えた気持ちを包み込むみたいに、ぎゅっと。
そしたらお腹がぐうっと鳴いて、
抱え込んでいた姿勢がまるで空腹を隠すみたいに見えて、
ウヌさんと目が合って 笑ってしまった。
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パリコ(プロフ) - いちごさん» ありがとうございます♡ これからのお話もぜひ、お楽しみにしていてくださいね。 (2月20日 18時) (
レス) id: db564d4a6c (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - ドキドキしながら拝見させて頂いております‥♡更新楽しみにしております^ ^ (2月20日 13時) (レス) @page3 id: 1f09b94a2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パリコ | 作成日時：2024年2月15日 12時
