51. 嬉しいでいっぱい ページ1
「 … Aちゃん！ 心配したんだよ？」
「 すみません… 勝手に、飛び出して… 」
診療所の前で右往左往足を動かしながら忙しないウヌさんが、
私を見つけるやいなや、こちらにもの凄い形相で走って来た。
「 どこか怪我とかしてない？ 見た感じは特に、痛いところなさそうだけど… 」
頭や肩をペタペタと触って私が怪我をしていないか細かくチェックする。
されるがままに確認されて、どうすればいいか分からずに私も流される。
私、子どもじゃないんだけどなあ…
一応、23歳なんだけどなあ…
現代だとこれ、セクハラになっちゃいますよ。
心の中でツッコミながら、いつそのツッコミを口に出そうかと考えていたら、
隣から腕が伸びてきたことに驚いて、思わず顔を横に向けた。
「 おい、触りすぎだ。子どもじゃあるまいし。」
「 あ、ごめん。心配でつい… ごめんね。」
ミンギュさんに注意されて自分の行動に気付いたのか、
急に顔を赤くするウヌさん。
それに釣られて私も顔が赤く、火照っていく。
なんか、恥ずかしくなってきた…
「 、なにを2人で頬を赤くさせてる。」
「 いや、その… なんか恥ずかしくなっちゃって、」
「 女性に対して失礼なことしたよね。… うん。
反省します。」
そりゃ、急に身体をペタペタ触られたらびっくりするし、
顔が赤くもなるに決まってる。
それに… ウヌさん、イケメンだし。
これは、自然現象です。
「 …まあ、いい。俺はもう戻る。」
反応は薄めで、さっさと踵を返そうとする彼を思わず呼び止める。
「 あの、ありがとうございました。忙しいのに、色々と… 」
「 次は、迷子になるなよ？ 子どもじゃあるまいし。」
振り向き際にそう言って、口の端を上げてにやっと笑った。
この顔は、私を馬鹿にしている顔だ。
「 もう大人なので… ！ 迷子には… なりませんから。」
「 そうだな。「 大人 」だからな。」
ほら、こうやってやっぱり私をからかう。
「 それでも、どこかに行きたいなら私に言え。心配だから。」
「 あ… その、それはつまり、一緒に出かけてくれるってことですか… ？」
「 また探し回るよりは、な。」
彼にとっては心配だからに過ぎないのかもしれない。
でも、それだけで私の心は宙に浮きそうなほど嬉しいがいっぱいだった。
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パリコ(プロフ) - いちごさん» ありがとうございます♡ これからのお話もぜひ、お楽しみにしていてくださいね。 (2月20日 18時) (
レス) id: db564d4a6c (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - ドキドキしながら拝見させて頂いております‥♡更新楽しみにしております^ ^ (2月20日 13時) (レス) @page3 id: 1f09b94a2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パリコ | 作成日時：2024年2月15日 12時
