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渡海先生が執刀医となり手術が再開する
「吸引吸引！！吸引急げ！」
「血圧50です！」
「大きい針持ってこい！」
手術室には渡海先生の指示を出す声が響く
いくら吸引しても、出血は止まらない
「メッツェン！」
メッツェン？
「血圧下がってます」
血の海と化した患部にメッツェンを入れる渡海先生を見て
ああ、そういう事かと納得する
「先生、出血部分がわかりません！」
世良君が泣きそうな
「A」
「はい」
近くの看護師に手に持っていた機械を渡し、患部へ手を伸ばす
「そういう時はな、」
そして臓器を持ち上げる
「直接出しゃいいだろうよ」
渡海先生の言葉と私の行動にオペ室の空気が凍った
「世良君、持って」
「え…」
「早く」
「っ、はい！」
世良君に臓器を持たせ私は吸引に戻る
縫合が始まってしまえば後はすぐに終わる
「メッツェン」
あっという間に処置を終えた渡海先生は世良君の方へ身を乗り出し
血塗れの手袋のまま世良君の左胸を叩いた
赤い手形がガウンに残る
「１億な」
「えっ…」
あまりにも法外な値段にオペ室の空気が再び凍る
「払い終わるまで、お前は俺のために一生ここで働け」
渡海先生はその場に似合わぬ笑い声をこぼしながらオペ室を出て行った
後の縫合は誰がやるのかと手術室を見回す
高階先生…はダメだし、世良君…は流石にあれだし…
私がやるのか
持針器を手に取り縫合を始める
別に難しいものでもないためすぐに終わった
「じゃあ後よろしくお願いします」
看護師達に後を任せ世良君と共にオペ室を出る
「世良君流石だね。渡海先生に“お金払うから助けてくれ”なんて」
私の言葉にあはは…と乾いた笑い声をあげる世良君
「にしても1億は予想以上だったんじゃない？……世良君？」
隣にいた世良君が私の視界から消えた
振り返ると私をじっと見ている世良君と目が合う
「A先生は何者なんですか？」
「…ただの新人外科医だよ」
「ただの医者が渡海先生の思考をあそこまで読める訳がないじゃないですか。質問を変えます。渡海先生とどういう関係なんですか」
世良君の鋭い指摘に、私は曖昧な笑みを返して歩きはじめた
- 金 運: ★☆☆☆☆
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めーぷる(プロフ) - 青龍 葵さん» 更新が遅くなってしまい申し訳ありません。続編をアップしましたのでよろしければ、これからもよろしくお願いします！ (2018年6月3日 22時) (
レス) id: bffb3765d5 (このIDを非表示/違反報告)
青龍 葵(プロフ) - 次回の更新を楽しみにしてますｗ (2018年5月28日 17時) (レス) id: 8ae73065e1 (このIDを非表示/違反報告)
めーぷる(プロフ) - キルケーさん» ご指摘ありがとうございます！修正しました。キルケーさんからのご指摘がなければ017が抜けてる状態になっていました…(^^;)本当にありがとうございます！もしよければこれからもこの小説をよろしくお願いします！ (2018年5月14日 20時) (レス) id: c7bb142293 (このIDを非表示/違反報告)
キルケー(プロフ) - はじめまして！コメント、失礼します。 お節介かもしれませんが、016と017の内容が同じでした。 本当に、お節介かもしれませんがこれからも、よろしくお願いします。 (2018年5月14日 16時) (レス) id: d9d64a45f8 (このIDを非表示/違反報告)
めーぷる(プロフ) - yumiaさん» ありがとうございます！喘息の設定を上手く生かせているか不安なのですが、そう言っていただけると安心します。これからもよろしくお願いします！ (2018年5月10日 23時) (レス) id: c7bb142293 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めーぷる | 作成日時：2018年4月29日 22時
