『デート...』 ページ35
「今年は大雪になる予報です。もしかしたら、ホワイトクリスマスになるかもしれませんね！」
テレビに映るアナウンサーが、明るい声でそう言った。
雪は嫌いじゃない。
寒さが増す上に雪掻きは大変だが、集めて出来た雪山でかまくらや雪だるまなどを作って無邪気に遊ぶ子供達を見るのは好きだし、季節を感じられるからだ。
もうそろそろ車のタイヤを変えないと、なんて思っていると、リビングのドアが開いて疲れ切った様子の宇髄さんが姿を見せた。
「やーっと終わった...」
そう嘆く様に言いながら、私の隣にドカリと腰を下ろす。
体格の良い宇髄さんが勢い良く座ったことで、私が座っているにも関わらずソファーが大きく揺れた。
不死川先生に宇髄さんとの近況を聞かれたあの日以降も、宇髄さんは作品を描き上げる為に、家での時間の殆どをアトリエで過ごしていた。
そして、学園が冬休みに入る直前の今日に、やっと作品が全て仕上がったようだ。
『今回は随分と長かったですね』
「今回はいつもより大掛かりで、展示する作品も多かったからな...あ"ー、派手に腰痛ェ」
天井を仰いで腰を摩る宇髄さんに『お疲れ様です』と言葉を添えて珈琲を注いだマグカップを渡すと、「サンキュ」と受け取ってくれる。
「なぁA。クリスマス、どっか行きたいとこあるか？」
『え？』
珈琲をひと口啜った宇髄さんは、テレビで流れるクリスマス特集を見て思い出した様にそう切り出した。
「いつもAに料理作って貰ってっから、仕込みとかで基本家で過ごしてたろ。たまには外でデートもいいんじゃねーかと思って」
『デート...』
確かに、行事ごとの時は二人で過ごしたいからと家にいることが殆どだった上に、学生の頃は生徒達の目もあって恋人らしいデートもろくに出来ていなかった。
実際、今年のクリスマスの予定も迷っている中だったので、私は宇髄さんの提案に頷いた。
『...行きたいです。その...デート...』
「ふはっ！なーに照れてんだ。何年この宇髄天元様の恋人やってんだよ？」
『別に照れてないです。突っ込まないでください』
ニヤニヤとどこか嬉しそうに口角を上げて、宇髄さんはきっと赤くなっているであろう私の顔を覗き込む。
ふいっと顔を逸らした私を見てケラケラ笑うと、ふっと優しい顔付きになり、その大きな手で私の頭を撫でた。
「んじゃ、前日までに行きたいとこ決めとけよ？」
『...はい』
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名無し58428号(プロフ) - うおおおおついにか！これから楽しみです！ (2021年12月14日 23時) (
レス) @page45 id: d193f19839 (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - ついに婚約…これからどうなっていくのかとても楽しみです！！ (2021年12月14日 23時) (レス) @page45 id: f6ff1cdc98 (このIDを非表示/違反報告)
イリア(プロフ) - 名無し58428号さん» 返信遅れて申し訳ありません！そう言っていただけて、こちらとしても作品を作る励みになります！ありがとうございます！ (2021年12月14日 19時) (レス) id: f3367b760e (このIDを非表示/違反報告)
名無し58428号(プロフ) - 最高っですっ！ (2021年12月8日 1時) (レス) @page39 id: d193f19839 (このIDを非表示/違反報告)
イリア(プロフ) - お酒さん» 応援ありがとうございます！何とか乗り越えて来ました(笑) (2021年7月26日 19時) (レス) id: f3367b760e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イリア x他1人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.pnp/sakuramoti
作成日時：2021年5月2日 23時
