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「夜遅くまですまないな!」
『いいえ。こちらこそ、片付けまで手伝わせてしまってすみません』
二時間程でお開きとなり、教師メンバーは残って片付けの手伝いをしてくれた。
時計はもう十時半過ぎを指していて、楽しい時間はあっという間だなと改めて実感する。
『冨岡さん、車に気を付けてくださいね』
「元教え子に言われてンぞォ酔っ払い」
「...大丈夫だ.....」
比較的お酒に弱い冨岡さんは、宇髄さん達に煽られて飲んだ結果顔が真っ赤だ。
口調もほわほわしていて心配だが、途中まで煉獄さんが付いていてくれるので大丈夫だろう。
『今日はありがとうございました。お気をつけて』
「うむ!また明日!」
「じゃあなァ」
三人の背中を見送ってリビングに戻れば、宇髄さんがぐでっとソファーに横になっていた。
身長が百九十以上あるため、足が肘置きからはみ出している。
『宇髄さん、ケーキ食べますか?』
「...お前、わざとだろ。アイツら呼んだの」
『えぇ、わざとですよ。せっかくのハロウィンですし、悪戯の一つや二つしないと勿体ないじゃないですか』
私の質問を無視した宇髄さんの問いかけに、私は躊躇う事無く肯定する。
私が面白がっている事に気付いたのか、宇髄さんは恨めしそうにネズミのぬいぐるみに埋めていた顔を上げて私を見た。
「今年も二人でイチャイチャしながら誕生日過ごせるのかと思って派手に期待してたのによぉ...派手に祝ってくれたのは嬉しかったけど、せめて事前に言うくらいはしてくれよ」
『それじゃあ悪戯にならないじゃないですか。あとイチャイチャは余計です』
拗ねた宇髄さんが子供の様で、私は小さく笑う。
それにもっと臍を曲げた宇髄さんは、身体を起こしてソファーの下にしゃがんでいた私に覆い被さるようにして抱きついてきた。
思い切り体重をかけられて、思わず『う"…』と呻き声が漏れる。
「...Trick or Treat」
『え?』
「どっちか選べよ」
あぁ、選ぶのか。
私は少し悩んだが、どちらにせよひっつき虫には変わりなさそうだなと思い、宇髄さんの首に腕を回す。
『では、Treatで』
「じゃ、今日は天元様の抱き枕な。光栄だろ」
『...ふふ。その様子では、どちらを選んでも抱き枕じゃないですか』
私の言葉を無視した宇髄さんに抱きかかえられ、私は抵抗せず身体を宇髄さんに預けた。
お風呂とケーキと誕生日プレゼントはまた明日。
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名無し58428号(プロフ) - うおおおおついにか!これから楽しみです! (2021年12月14日 23時) (レス) @page45 id: d193f19839 (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - ついに婚約…これからどうなっていくのかとても楽しみです!! (2021年12月14日 23時) (レス) @page45 id: f6ff1cdc98 (このIDを非表示/違反報告)
イリア(プロフ) - 名無し58428号さん» 返信遅れて申し訳ありません!そう言っていただけて、こちらとしても作品を作る励みになります!ありがとうございます! (2021年12月14日 19時) (レス) id: f3367b760e (このIDを非表示/違反報告)
名無し58428号(プロフ) - 最高っですっ! (2021年12月8日 1時) (レス) @page39 id: d193f19839 (このIDを非表示/違反報告)
イリア(プロフ) - お酒さん» 応援ありがとうございます!何とか乗り越えて来ました(笑) (2021年7月26日 19時) (レス) id: f3367b760e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:イリア x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.pnp/sakuramoti
作成日時:2021年5月2日 23時