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『...私達、付き合ってませんよね?』 ページ27

『...あの、宇髄先生』


「ん?」



洗い物を終えた私は、ソファーに座っていた宇髄先生の隣に座った。

躊躇したものの、やはり単刀直入に聞くべきだと考え、

私はすぐに口を開いた。



『失礼を承知で聞きます。宇髄先生、彼女いるんですか?』


「...は?」



私の質問に、ぽかんとその紅い目を見開いた宇髄先生。

どうやら、私の言葉の意味を理解出来ていないらしい。



『昼休み、女子生徒達に"彼女いるから"って言ってたじゃないですか』


「いや、確かに言ったが...何でお前がそれを聞くんだ?」


『はい?』



"何でお前がそれを聞くんだ"?

まるで私が聞くなんてどう考えても有り得ないと言う口振りに、

今度は私がぽかんとする番だ。



『私が聞くの、おかしいんですか?』


「だってその彼女、お前の事だし」



その言葉に、私の頭は一瞬フリーズする。



『...私達、付き合ってませんよね?』


「......ハアァァァッ!?」


『あの、今夜なんですけど...』



突然の大声に、私はそう注意しながら自分の耳を塞ぐ。

その声の大きさは、善逸くんの本気の悲鳴並だ。

すると、宇髄先生は必死の形相で私の両肩を掴んだ。



「おまっ、ハア!?俺達付き合ってるだろ!?」


『いや、生徒と教師の関係なのに付き合えるわけないじゃないですか』



私の返答に唖然とした宇髄先生の腕から力が抜け、ソファーへと落ちて行く。

しばらくぼーっとしていたものの、震える声で言葉を紡いだ。



「A、俺のこと好き?」


『はい、好きですけど...』


「俺がお前にどれだけ惚れ込んでるか知ってる?」


『まぁ、あれだけ激しい愛情表現されれば』


「つまり、俺達両想い、相思相愛だろ。それが分かった男女二人がすることと言えば?」



急な問い掛けに、私は頭を回転させる。

想いを伝え合って、お互い同じ気持ちだと理解した。それだけではないのか?



『...分かりません』


「付き合うだろ普通!?」


『ですから、生徒と教師の関係である以上付き合うことは出来ませんよ』



そう言うと、「この堅物...」と宇髄先生は頭を押さえた。

取り敢えず、宇髄先生が言っていた"彼女"というのは私だったということ。

それが分かれば私はもう十分だ。宇髄先生はうなだれたままだが。

『嫌ですけど』→←『大丈夫ですよ、お仕事お疲れ様です』



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桜餅(プロフ) - みたらしさん» ありがとうございます!明日は部活休みなので、続編の方も多めに更新出来るよう頑張ります! (2020年7月6日 23時) (レス) id: 03f4026521 (このIDを非表示/違反報告)
ハル時々はるる(プロフ) - わぁぁぁ続編楽しみに待ってます!私も部活やらおまけに受験もあって忙しいですがお互い頑張りましょう!応援してます!! (2020年7月5日 0時) (レス) id: 1867b93bcb (このIDを非表示/違反報告)
みたらし - 続編楽しみです!部活とか大変だと思いますけど応援してますね〜 (2020年7月4日 22時) (レス) id: 2fd201009b (このIDを非表示/違反報告)
桜餅(プロフ) - ぽんちゃんさん» 大丈夫...だと思いますw夢主さんも宇髄さんも気配とか音で分かりそうなので! (2020年6月29日 19時) (レス) id: 03f4026521 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんちゃん(プロフ) - ブレスの交換を他の女子に見られてないよね?大丈夫 (2020年6月28日 5時) (レス) id: e2382ac4cf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:イリア x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.pnp/sakuramoti  
作成日時:2020年6月2日 23時

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