【鬼滅の刃】今世では教師に溺愛されてるんだが【宇髄天元】

『何ですかその例え...』 ページ12

宇髄さんの家は、施設から約十分程行ったところにある高級マンションだった。

車から降り、まじまじとマンションを見上げる。



『大きいですね...』


「まぁ広いに越したことはねぇしな」



「ほれ、行くぞ」と慣れた手つきでオートロックを解除する宇髄先生に続いて、

私もマンションのエントランスに入る。


最上階にある宇髄先生の部屋は、まるでホテルのようだった。

いや、ホテルよりもずっと広い。

至って一般的な家庭生まれの私には勿体ない気がする。


キョロキョロと辺りを見回す私に、宇髄先生は笑う。



「何か、よそから連れてきた猫みたいな反応だな」


『何ですかその例え...』


「いーじゃん、可愛くて」



わざと"可愛くて"を強調した宇髄先生。

恥ずかしいこともサラリと言ってのけるあたり、本当に昔から変わっていないなと思う。

すると、宇髄先生は廊下の角を曲がり、六つほどある扉の内の一つを指差した。



「あそこがAの部屋な。俺の部屋はその奥」



宇髄先生の指が奥隣の部屋の扉へ移る。

他は絵を描くためのアトリエや、描いた絵の保管部屋、そして仕事部屋らしい。



「俺は学校戻るから、好きに部屋の中見てていいぞ」



そう言い残した宇髄先生は、この部屋の合鍵を私に渡して出て行った。

私は合鍵をポケットに入れ、言われた部屋に入る。


もともと家具は備え付けなのか、

棚やクローゼット、ベッドなどの必要最低限の家具は置いてあった。

壁は白、家具は黒が中心で、かなりシンプルな部屋だ。


私は持ってきた鞄を開き、物を片付けて行く。

物が少ない分かなり収納が余ってしまったが、まぁいいだろう。


自分の部屋の整理が終わり、私は反対側にあるリビングのドアを開けた。

予想はしていたものの、それを遥かに上回る広さ。

天井が高く、ベランダに出る大きな窓からは街を一望出来るみたいだ。


その後もバスルームなども覗いてみたが、どの部屋も大きい。

あまりの高級感に若干引きそうになったが、

宇髄先生は身体が大きいからこれくらいが普通...なのか？


少なくとも教師が住むような家ではないということは分かる。


一通り探索し終えて壁に掛かった時計を見ると、針は四時過ぎを指していた。


宇髄先生が帰って来るのは、多分六時半過ぎ。

それまでに夕食を作っておかなければ。


そう判断した私は一旦部屋に戻り、財布と鞄を持って買い出しに出掛けた。

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