【鬼滅の刃】今世では教師に溺愛されてるんだが【宇髄天元】

溺愛されています ページ2

「Aおねえちゃん、かわいい！」


『ありがとう』



桜が舞う四月。

三月に中等部を卒業した私は、高等部の制服に腕を通した。

新しい制服姿の私に、施設の子供達は目をキラキラさせる。



『行ってきます、薫さん』


「行ってらっしゃい」



玄関まで見送りに来てくれた薫さんにそう行って、私は学園までの短い通学路についた。


薫さんは、子供達の面倒を見ている施設の責任者だ。

両親を亡くした私も、十年間お世話になっている。



私には、前世の記憶があった。

殺し屋として生きた後、鬼殺隊に入って鬼を滅する人生の記憶。


その人生の中で知り合った炭治郎くん達とは、中等部で再会した。

みんなも記憶を持っていて、始めて会った時は泣いて喜んだものだ。


...それは、あの人も同様。


学園に近付くにつれ、同じキメツ学園の制服を来た生徒が増えて来る。

校門をくぐる生徒の群れの中、一際目立つ長身が目に入った。

前世と違いスーツ姿の彼の元へ、私は歩み寄る。

向こうも私に気がつくと、優しい笑みを浮かべた。



『...おはようございます、"宇髄先生"』


「おはよ」



私と同じ赤い目、綺麗な銀髪、整った顔立ち。

上官の次は教師となった天元様。

私が前世から長い年月の間、ずっと愛していた人。



「制服似合ってんな。ド派手に可愛い」



私にしか聞こえないように言われた言葉に『そうですか』と返し、

小さく頭を下げて横を通り過ぎた。



キメツ学園高等部一年、蘭A。

今世では教師に溺愛されています。

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