玖拾肆 ページ19
『お前の...お前のせいで、どれだけの人が犠牲になったか分かっているのか!?
何故そう呑気に笑っていられる!』
聞いた所で無駄だと分かっていても、Aは黙っていられなかった。
案の定、鬼舞辻は涼しい顔のまま。
「人間など、私にとっては道具でしかない。
第一、鬼は不老不死と言っても過言ではない。そんな鬼を殺しているのは紛れもなくお前達だ」
『鬼として生きて何が嬉しい!鬼となった人達はお前の血で大切なものを忘れさせられたんだ!
誰も最初から望んで鬼になったりはしない!』
「そうか。ならば裂椿はどうだ?」
Aはピタッと口を開けるのをやめた。
鬼舞辻は嘲笑うように赤い目を細める。
「裂椿は自ら強くなりたいと望んで鬼となった。そんな裂椿は人間ではなかったと?
あぁ、違うな。正確には胤羽か...!」
その名前を口にした鬼舞辻の横を、一本の短刀が横切った。
それを投げたAは鬼舞辻を睨む。
『気安く姉さんの名前を口にするな!』
「そうか、そんなに姉が好きか。ならばお前も同じ所へ送ってやる」
そう言った鬼舞辻の腕が赤黒い触手へと変貌する。
それを避けながらAは刀を拾った。
この日輪刀は左利き用のため、右では防ぐ事しか出来ないだろう。
『(それでもいい。絶対にただでは死なない!)』
左腕を失った時点で、自分が死ぬことくらい予想がつく。
なら、その分少しでも役に立ちたい。柱としての威厳を見せたい。
『(無一郎と、同じ世界にいたい...)』
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桜餅(プロフ) - 織葉さん» ありがとうこざいます!作るの遅くなって申し訳ありません... (2020年2月16日 11時) (レス) id: 03f4026521 (このIDを非表示/違反報告)
織葉(プロフ) - 続編おめでとうございます!これからも頑張ってください。応援しています!! (2020年2月15日 22時) (レス) id: f370ea2008 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:イリア x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.pnp/sakuramoti
作成日時:2020年2月15日 22時