玖拾弐 ページ17
屋敷の門を潜り、梓が待っているであろう庭に行く。
すると、庭には梓だけでなく時透の姿もあった。
Aがいない分稽古を付けていてくれたのだろう。
Aは時透の背中に声をかけた。
『早かったわね。どうしたの？』
「何となく。みたらし団子買ってきたから、三人で食べよう」
そう言って縁側の方を見た時透の視線の先には、みたらし団子の包みが。
木刀を振っていた梓もその手を止め、三人並んで縁側に座った。
『無一郎から見て梓はどう？』
「覚えは早いけどまだまだだね」
「そんなの分かってます！これでも半日全集中・常中でいられるようになったんですよ！」
「僕達はずっと出来るよ」
仲が良いのか悪いのか分からない二人に、Aは相変わらずだなと苦笑する。
三本あったみたらし団子が全て無くなった後、梓は裏山へ走りに行った。
屋敷にはAと時透の二人だけ。
『...蝶屋敷から帰る途中、お館様の鴉から伝言があったの』
「伝言？」
時透のおうむ返しに、Aは藤の花を見ながら頷く。
丁度この山に入る時に、産屋敷の鴉がAの元へ来たのだ。
『"記憶を操ることが出来る鬼の目撃情報が入った"...だそうよ』
「じゃあ、その鬼を利用すれば...」
『多分、失った記憶を取り戻せる』
しかし、相手は鬼。
そう易々と手を貸してくれるはずがないことは二人も分かっている。
それでも、Aは取り戻したかった。
時透との記憶...彼と"恋人"として過ごした記憶を。
『明日、その目撃情報があった山へ行くつもり』
「Aなら大丈夫だろうけど、気をつけなよ」
『えぇ』
「師範、戻りましたー！」
梓の声が聞こえ、二人はそこでその話題を打ち切りにした。
そして翌日の夕方、Aは山へと向かったのだった。
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桜餅(プロフ) - 織葉さん» ありがとうこざいます！作るの遅くなって申し訳ありません... (2020年2月16日 11時) (
レス) id: 03f4026521 (このIDを非表示/違反報告)
織葉(プロフ) - 続編おめでとうございます！これからも頑張ってください。応援しています！！ (2020年2月15日 22時) (レス) id: f370ea2008 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イリア x他1人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.pnp/sakuramoti
作成日時：2020年2月15日 22時
