陸拾伍 ページ33
「A、大丈夫？」
鬼を倒した時透が、血鬼術にかかったAの元へ急ぐ。
『みゃあ？』
「......」
猫耳と尻尾が生え、身体の大きさが四十cm程になったAを見て、時透は思わず動きを止めた。
Aは時透を見ると、立ち上がって寄ろうとしたが、
足がおぼずかずコテッと転んでしまった。
『みゃーみゃー』
「...取り合えず、蝶屋敷に行こう」
時透は沸き上がる感情を押し止め、小さくなったAを抱えて下山した。
「あらあら、またかかっちゃいましたか」
胡蝶はAの姿を見て、開口一番そう言った。
前にも幼児化してしまったことがあるため、そう思うのも無理はない。
時透に事情を聞いた胡蝶は、「そうですねぇ」と少し考える素振りを見せた。
「見ての通り、Aさんは半分しか猫化していませんので、
日光をたくさん浴びて戻るのを待つしかなさそうです。
症状は軽そうなので、また前回のようにすぐ戻ると思いますよ」
その言葉を聞いた時透は、安堵の息を漏らす。
「あ、勿論持ち帰って下さいね。いくらAさんであろうと、
私は毛の生えた動物は苦手ですので」
『みゃー...』
「...そんな悲しそうに鳴いても揺るぎませんよ」
そう微笑む胡蝶だが、その笑顔はどこかぎこちない。
言われなくても持ち帰るつもりだった時透は頷き、前回同様自分の屋敷に連れて帰った。
中身は本当に猫のようで、Aは時透の長い髪の毛を弄んでいる。
「...これ、戻ったら記憶あるのかな」
スリスリと自分に甘えて来るAを見た時透はそう呟いた。
普段のAは、滅多に甘えて来ることはない。
姿や中身がどうであれ、Aに甘えられているのが、時透は嬉しかった。
「もう寝よう、眠いし」
と、敷いておいた布団に潜り隣を叩くと、とてとてとAがやってきた。
頭を撫でれば、気持ち良さそうに目を細める。
「...可愛いなぁ」
『みゃん』
一言そう零して、時透は目を閉じた。
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桜餅(プロフ) - 天さん» 狐の面を付けなくなってから、正確には無一郎くんに過去を話した時から本来の声で喋ってます。分かりにくくてすみませんでした... (2020年4月2日 15時) (
レス) id: 03f4026521 (このIDを非表示/違反報告)
天 - 声を偽っていた設定ってどうなったんですか？ (2020年4月2日 1時) (レス) id: c7394f7d2c (このIDを非表示/違反報告)
桜餅(プロフ) - 詩さん» ありがとうございます！現在受験の追い込み時期でして、更新が少し遅れそうなんですが、できる限り更新出来るよう頑張ります！ (2020年1月19日 19時) (レス) id: 03f4026521 (このIDを非表示/違反報告)
詩 - 続き楽しみにしてます！頑張って下さい！ (2020年1月19日 13時) (レス) id: 059c2de8f9 (このIDを非表示/違反報告)
桜餅(プロフ) - 結衣さん» 絶対楽しいですよね柱の飲み会！楽しんでいただけて嬉しいです！ (2019年12月29日 1時) (レス) id: 03f4026521 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イリア x他1人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.pnp/sakuramoti
作成日時：2019年12月28日 23時
