伍拾 ページ15
Aは運ばれてきた磯部餅を上機嫌で食べながら、
騒がしく酒をがぶ飲みする成人組を見ていた。
前は昼間だったからだろう、飲んでいなかった者も飲んでいる。
『...胡蝶殿、酒って美味しいのかしら』
「私も飲んだことがないので分かりませんが、
大人になると美味しいと思うのではないでしょうか。
しかし、身体に悪いことには変わりないので、飲み過ぎはいけませんよ」
煉獄が「うまいうまい!」と飲みながら叫んでいるのを見て、
向かい側にいた胡蝶に問いかけた。
Aが前飲まされた時は、お世辞にも美味いとは感じなかったからだ。
飲んでいる量が以前の比ではないため、もうほぼ全員潰れている。
「蝶屋敷に送られて来るのは勘弁ですよ」と、胡蝶は黒い笑みを浮かべた。
『...こうして見ると、各々の特徴がよく分かる』
誰が酒に強いのか、好物は何か、食べる量。
些細な事だが、Aにとってはどれも新しい発見だ。
「たまにはこうやって、みんなと飲むのもいいかもしれないね」
産屋敷が柱たちの騒ぐ声を聞いて微笑んだ。
産屋敷が柱たちと一緒に宴をするのは正月のみ。
A程とまでは行かないが、機会の少ない産屋敷にとって、この時間は貴重らしい。
「A、確か今度非番の日一緒だよね」
すると、ずっと黙って料理に口を付けていた時透が思い出したように切り出した。
Aは自分の予定を思い浮かべて頷く。
『それがどうかしたの』
「街に行こうよ。丁度買いたい物あったし」
『別に構わないけど...』
その会話を聞いた甘露寺が、またもや大声を出す。
「それって逢引よね!?」
『いや、ちが...』
「そうだよ」
『時透...!?』
さっきから何なんだ、という目を時透に向けると、
悪戯っ子の様な年相応の笑顔を浮かべた。
その笑顔を見たAは、またあの感覚に見舞われた。
『(本当、何なの...?)』
その感情の答えが分かるまで、あと少し___
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桜餅(プロフ) - 天さん» 狐の面を付けなくなってから、正確には無一郎くんに過去を話した時から本来の声で喋ってます。分かりにくくてすみませんでした... (2020年4月2日 15時) (レス) id: 03f4026521 (このIDを非表示/違反報告)
天 - 声を偽っていた設定ってどうなったんですか? (2020年4月2日 1時) (レス) id: c7394f7d2c (このIDを非表示/違反報告)
桜餅(プロフ) - 詩さん» ありがとうございます!現在受験の追い込み時期でして、更新が少し遅れそうなんですが、できる限り更新出来るよう頑張ります! (2020年1月19日 19時) (レス) id: 03f4026521 (このIDを非表示/違反報告)
詩 - 続き楽しみにしてます!頑張って下さい! (2020年1月19日 13時) (レス) id: 059c2de8f9 (このIDを非表示/違反報告)
桜餅(プロフ) - 結衣さん» 絶対楽しいですよね柱の飲み会!楽しんでいただけて嬉しいです! (2019年12月29日 1時) (レス) id: 03f4026521 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:イリア x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.pnp/sakuramoti
作成日時:2019年12月28日 23時