【鬼滅の刃】闇柱は光を纏う【時透無一郎】

肆拾捌 ページ13

Aが目覚めた際、既に怪我が完治していたこともあり、

翌日から技能回復訓練を行うことになった。


一月半という長い期間、ずっと眠りっぱなしだったにも関わらず、

すぐに感を取り戻したAは、早々に任務に復帰した。


そして、Aが任務に復帰したことを祝う為、

産屋敷邸で宴が行われることとなった。



「久しぶりだね、A。怪我の方はもう大丈夫なのかな？」


『はい。ご迷惑をおかけし、申し訳ございませんでした』


「いいんだよ。Aが生きて帰って来てくれただけで、私は十分嬉しいよ」



他の柱より一足先に産屋敷邸に来て頭を下げるAに、産屋敷は優しく声をかけた。



「A、一つ相談があるんだ。

　君の姉であり上弦の零、裂椿との戦いを境に、闇の呼吸を使えなくなったと、

　しのぶから報告を受けた。これは間違いないかい？」


『はい』


「そこでね、Aの階級を【闇柱】ではなく【光柱】にしようと思うんだ。

　君のその、鬼を"救う"呼吸で、たくさんの人を救って欲しい」


『御意』



迷うことなく、Aは産屋敷の提案を受け入れる。

Aの返答を聞いた産屋敷は、嬉しそうに微笑んだ。



「今日の宴は、Aの【光柱】がなったことの祝会も兼ねないとね」

　
『(柱であることには変わりないのですから、そこまでして頂かなくてもいいのに...)』



Aは心の中で遠慮しながらも、産屋敷の好意を受けとることにした。

宴までまだ時間があるため、隠の準備を手伝おうとAが部屋を出て行こうとすると、

産屋敷が呼び止めた。



「今日はAの為の宴だから楽しむのはいいけど、

　くれぐれも天元にお酒を飲まされないようにね」


『な、なぜそれを...』


「ふふ、私にはその手に厳しい子供たちがいるからね」



そう言って、産屋敷は悪戯っ子のように笑った。

Aは顔を赤らめながら、『気をつけます...』と呟いて部屋を出た。


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大正コソコソ噂話


お館様が飲み会の件を知っていたのは、

しのぶさんと伊黒さんが宇髄さんを連れてお館様の元へ報告しに行ったから、らしいですよ。


Aさんを妹の様に思っているしのぶさんと、なんだかんだ認めている伊黒さん。

この手には厳しい二人なので、Aさんがお酒を飲まされたことに相当ご立腹だったとか。

宇髄さんは一週間お酒禁止になったそうです。

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