拾弐 ページ14
そこでAが目にしたのは、信じがたい光景だった。
床には沢山の子供と数人の女の喰い散らかされた残骸が無造作に転がっていた。
それだけなら、これまでも何度も見てきた。
しかし小屋の中にいたのは、さっきの分裂していた鬼だけではない。
もう一体、血塗れた白の着物を着た女の鬼がいた。
分裂していた鬼は、その女の前で跪き、頭を垂れている。
貴『(十二鬼月は、あの女の鬼のことね...けど、どうして鬼同士が)』
鬼は基本、群れることはない。
しかし何故、この鬼たちは一緒にいるのだろう。
いや、今はそんなこと関係ない。
Aは刀を抜くと、鬼たちに刃を向けた。
十二鬼月は動揺するどころか、楽しそうに着物の袖を紅を塗った口元に宛がう。
「あらあら...見ない間に随分強くなったわねぇ。
にしても、どうして男の振りをしているのかしら？」
『何...？』
まるで、Aに会った事があるかのような口ぶり。
「知らないのも無理ないわ。貴方が生まれてすぐ、私は鬼になったから」
『どういう意味だ』
「そうねぇ...ほら、ボサッとしてないで、最高の獲物よ？」
その言葉を合図に、分裂鬼はAに飛び掛かる。
「霞の呼吸、弐ノ型___八重霞」
構えたAの耳に、そんな声が届いた。
Aはすぐさま上に回避する。
それとほぼ同時に、幾千もの斬撃が小屋を破壊した。
分裂鬼はその中の一つに頸を斬られ、灰と化す。
十二鬼月は予知していたようで、Aと同じく上へ回避していた。
Aは時透の隣に降り立つと、ジロリと時透を見る。
『俺まで斬るつもりか』
「邪魔だったし」
『それより、今まで何処に行っていた』
「他の鬼が西の村まで来てたから」
そう二人が話していると、急に飛んできた斬撃。
お互い避けることなく太刀打ちする。
砂煙が晴れ、鬼の姿がはっきり見えるようになった。
鬼の右手には薙刀が握られており、周りには連れ去られた子供たちが浮いている。
「そっちの坊やの攻撃、なかなかのものだったけれど、惜しかったわねぇ。
まぁ仮に当たっても、私の頸を斬るどころか身体に傷一つ付けられないでしょうけど」
そう言って、またクスクスと笑う。
老若男女見惚れる美しさを持つ鬼だが、
その笑みはAにとって、ただ気味悪く見えるだけだった。
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桜餅(プロフ) - 。さん» 起きてすぐだったのと、無一郎くんがいることを知らなかったので声は作ってません。説明不足で申し訳ないです... (2020年4月2日 15時) (
レス) id: 03f4026521 (このIDを非表示/違反報告)
桜餅(プロフ) - ウルさん» そうなんですね、初めて知りました！私は瞳孔が青、私たちで言う茶色の部分が白のイメージでした(これでもわかりにくいかったらすいません...)コナンの「純黒の悪夢」という映画に出てくるキュラソーというキャラの目を見ると分かるかと思います。 (2020年4月2日 15時) (レス) id: 03f4026521 (このIDを非表示/違反報告)
。 - 時透君に素顔を見られた時(参拾弐話)って、声つくってたんですか？ (2020年4月2日 1時) (レス) id: c7394f7d2c (このIDを非表示/違反報告)
ウル(プロフ) - 透明の瞳というのは何色を表しているんでしょうか？本来透明の瞳というのは瞳の裏の赤い色になります。なのでさくしゃはどのような色を想像されたんでしょうか？(少し疑問に思いました。 (2020年4月2日 0時) (レス) id: c7394f7d2c (このIDを非表示/違反報告)
桜餅(プロフ) - 結衣さん» ですよね！いろんな人が鬼とハーフとか考察してましたが、それとは比にならないくらい辛い過去でした..だからこそ、やっぱり蜜璃ちゃんと結ばれてほしい！来世とかじゃなくて今二人が鬼殺隊として生きてるこの時代で！みんな頑張れ！！ (2019年12月24日 1時) (レス) id: 03f4026521 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イリア x他1人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.pnp/sakuramoti
作成日時：2019年12月1日 14時
