彼女を照れさせたい我妻善逸の奮闘記【我妻善逸】

4.ベタ褒めしてみる ページ7

「善逸は、褒めるとすぐに照れるんだな」


「何それ馬鹿にしてんの？」



炭治郎の言葉に、俺は間髪入れずにそう返した。

炭治郎は俺が単純だとでも言いたいのかな？酷くない？←(実際その通り)

褒められたら誰だって照れるでしょ！


ん？いや待てよ。

褒めたら誰だって照れる。それはAも同じなんじゃないか？



「ありがとう炭治郎！俺ちょっと行って来る！」


「よく分からないが、気をつけるんだぞ」



俺は部屋を飛び出し、Aがよくいる縁側に向かった。



「(あ、いた！)」



予想通り、Aは縁側に座っていた。

その肩にはチュン太郎が止まっていて、微笑みながら撫でるその姿は本当に女神だった。



「A」


『あ、善逸。善逸も日なたぼっこ？』


「んー、まぁそんなとこ」



いや考え方可愛すぎかっ！！抱きしめたい！←

ダメダメ！冷静になるんだ俺！


ふぅーと荒ぶる心を落ち着かせ、Aの隣に腰掛けた。



「Aって、野生の動物でもすごい懐かれるよね」


『うん。自分でも分からないんだけど、何でかなぁ？でも可愛いから、悪い気はしないの』


「Aが優しいからじゃない？」



さりげな〜く褒め言葉を挟むと、

Aは特に気にすることなく『そうかな？』と首を傾げた。



「うんうん！それに可愛いし、強いし、聞き上手だし、何より音が綺麗。

　俺、Aの音大好きなんだよね〜。あと料理が上手い！」



つらつらとAの良いところを並べると、Aは目をぱちくりさせて俺を見つめた。

流石に不自然過ぎたかな？と思って「え〜と...」と言葉に悩んでいると、

Aはまるで花が咲くように笑った。



『ありがとう。でも私が褒めてもらってばかりじゃ悪いから、私も言おうかな』


「へ！？」


『格好良いところでしょ？それから、私以上に優しくて強いところ、

　話していて楽しいところ、楽器が上手いところ、あと何より...』



指を折って言っていたAが顔を上げ、俺を見て無邪気な笑顔を浮かべた。



『一緒にいると、どんどん好きになっていっちゃうところかな』


「ハグァッ！！？？」←


『え、善逸！？大丈夫！？チュン太郎、炭治郎呼んで来て！』



俺の彼女が天使過ぎて辛い。




四回目、失敗。

Aの無邪気な笑顔にキュン死。一日貧血で寝込んだ、後悔はしていない。←

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