彼女を照れさせたい我妻善逸の奮闘記【我妻善逸】

16.お酒を盛ってみる ページ22

今日は宇髄さんが開いた宴に参加させてもらっている。

他の柱の人達も来ているから、当然机の上には大量のお酒。

と言っても、始まって結構経つから半分以上は空なんだけどさ。


雛鶴さん達が用意した美味しい料理を味わっていると、隣にいた宇髄さんが耳打ちしてきた。



「そろそろいいんじゃねぇの？」


「本当に大丈夫なんですか？」


「まぁ大丈夫だろ。魅月が飲んでるの水だし、今なら入れ替えても分かんねぇよ」



そう！実はこの宴、例の作戦のために宇髄さんが開いてくれたんだよね！

人って酔うと感情制限出来なくなるじゃん？それを狙う！

酔った状態で褒めたり「好きだよ」って言ったりすれば照れてくれるはず。


俺は宇髄さんからお酒をもらうと、Aが炭治郎達と話している隙に水と入れ替えた。

え？色が一緒でも匂いでバレるんじゃないかって？

ここだけの話、Aって結構鼻鈍いんだよね。


庭で魚焼いてる近くで猫と遊んでたにも関わらず焦げてた事に気付かないくらい。

Aが気付いた時にはもう全部炭の化してたよね。いや炭通り越して塵だわあれ。←


だから匂いに関しては心配してない...と、Aが入れ替えたコップを手に取った。

そのまま警戒することなく流し込む。


嚥下すると、酒の苦さからか眉を寄せた。

あ、やっぱり匂いには気付かないのね...。



「A、どうしたの？」



さて、酔ってくれたかな？と俺はAの顔を覗き込んだ。

しかし、Aは普通にケロッとしている。



『間違えてお酒飲んじゃったみたい...』


「え！？大丈夫？酔ったりとかしてない！？」


『うん、それは大丈夫』



まさかの酔ってない。

一発勝負だったこの作戦は、こうして呆気なく潰れたのだった...←



十六回目、失敗。


Aが結構お酒に強かった。本当に十六歳か疑わしくなってきた。←

※未成年者の飲酒はやめましょう。

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