彼女を照れさせたい我妻善逸の奮闘記【我妻善逸】

12.絡まれているところを助けてみる ページ17

みんなご存知だろうけど、Aはモテる。

そりゃあもう全人類が驚くほどモテる。←


それだけ可愛くて美しいAは、街でもよく男に絡まれる。

困るAと、そんなAに詰め寄る汚れた男達。

そこに俺が入って庇えば、『善逸...格好良い！』ってなるはずだ。


え？照れさせるためじゃなくて自分が格好良いって言われたいだけなんじゃないかって？

うんまぁ三割そうなんだけどさ。←


取り敢えずそれは置いといて、知り合いの隊士二人に協力してもらうことになっている。

待ち合わせの場所に行ってみると、いい感じに絡んでくれていた。



「ねぇいいじゃん。遊ぼうよ〜」


「俺達が奢ってあげるからさ」


『いえ、私待ってる人がいるので...』


「つべこべ言わずに、ほら！」


よし、打ち合わせ通りに腕を掴んだ！

よし、行くぞ！



「ねぇちょっと。俺の彼女に何してんの？」



俺はAの腕を掴んでいる手を払いのけた。



「はぁ？じゃあお前彼氏なわけ？」


「だったら文句ある？いいからさっさとどっか行ってくんない？」


「ちっ...行こうぜ」



忌々しげに離れていく二人。

素晴らしい演技！ちゃんと報酬分働いたね！


気を取り直して、俺はAと向き合った。



「A、大丈夫？何もされてない？」


『うん、大丈夫だよ。ありがとう』



サラッとお礼を言うA。

うん、知ってた。俺だってもう半ばヤケクソで出した案だもん。


悲しみは心の奥に押し込んで、俺はAとの逢い引きを楽しんだ。


後日、甘味処で二人に奢っていた所、丁度甘露寺さんと甘味処に来たAと遭遇し、

きっちり搾り取られた挙げ句一週間二人でお出掛け禁止になったのは別の話。←



十二回目、失敗。


ねぇ最近俺Aに怒られ過ぎじゃない？俺そろそろ泣きたいんだけど。←

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