169話 天音のわがまま ページ47
NO side
ディーノの横を飛ぶように駆け抜けた、紫色の髪の主、
「天音！？」
そのディーノの大声に、ヴァリアー側も彼女に気づく。
一直線へと、校舎の方へ走りゆく天音。ディーノの止める声も聞こえなかった。
「おい天音やめろ！！ 止まれっ！」
「天音、あいつ何してんだ？」
「分からないけど、まさか……！」
制止する声を聞いて、1度だけ振り返ると、声に出さずに「ごめん」と告げた。
「あのバカっ………！！！」
瞬く間に彼女は消え、ディーノもあとを追おうとすると、小さな手が頬をつねった。
「なにすんだリボーン！！」
「おちつけ、お前が行ったところで止まる奴じゃないだろ」
「けど！」
天音がしようとしていることが、ディーノには分かっていた。だからこそ止めに行きたいのに、
大丈夫なのに、
「お前の言い分も分かる、だがお前が行ったところで何もならない。それに、」
かつての師であり、ディーノことも天音のこともよく知るこの赤ん坊は、ニヒルに笑った。
「あいつなら大丈夫だろ」
言われ、ぐっと拳を握っては………力を抜いた。
「……ああ」
そう呟くようにこぼしては、不安げに、そして悔しげにディーノは下を向いた。
*
*
*
スクアーロが消えた水面を見つめ、悔しげな声を漏らす、山本とA。
「こんなのって………ないよ」
「ちくしょう……」
その時、フィールドの扉が勢いよく開いた。
「！？」
現れたのは、息を切らした、Aの姉。
「姉さん……？」
「なんでここに？」
2人の疑問を帯びた声を無視して、赤の浮いた水面を凝視する彼女。
「っ………」
歯を食いしばって立ち尽くした数秒。
そして
再び駆け出し、迷うことなく
「……え！？」
「ちょ、おい！！」
まだ鮫のいる、海と化したそこへ飛び込んだ。
「姉さん！！！」
Aが叫んでも、上がってくる気配はない。
「嘘でしょ、ちょっと……姉さん！」
慌てて海面の方へ走るAを、山本が止める。
「危ねぇ！」
「離してよ姉さんが！」
掴まれた腕を振りほどこうとしても、力で彼に敵うはずもない。
次第に、Aから力が抜けていく。
「嘘だよ……姉さんが………ねえ、さん」
*
*
((ごめんなさい。ディーノさん。A。))
((死なないで…………スク！))
天音は先の見えない暗闇に手を伸ばした。
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桜もち(プロフ) - ２万hit突破してたー！すごく嬉しいです、皆様いつもありがとうございます！ (2017年8月3日 14時) (
レス) id: 840f834652 (このIDを非表示/違反報告)
桜もち(プロフ) - ヨーヨーさん» 大量更新すると言ったのに申し訳ありません(泣)まさか夏季課外なるものがあるとは……あと模試。高校怖い…今日からまた更新するのでこれからもよろしくお願いします！ (2017年8月3日 10時) (レス) id: 840f834652 (このIDを非表示/違反報告)
ヨーヨー - 本当に面白いです！早く続きが読みたいです！！！！ (2017年7月19日 11時) (レス) id: 0e946961c6 (このIDを非表示/違反報告)
桜もち(プロフ) - かほさん» 褒めていただけてとても嬉しいです！ほんとですか！？わぁ、光栄です！アンケート作った際にはぜひ投票ヨロシクお願いします！ (2017年7月12日 17時) (レス) id: 840f834652 (このIDを非表示/違反報告)
かほ(プロフ) - 本当に面白いです！良ければ未来編の最後までお願いしたいです笑！大変だと思いますが…是非見てみたいです！ (2017年7月9日 23時) (レス) id: ecda9cfb15 (このIDを非表示/違反報告)
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