167話 八の型 ページ45
「言ったろ？ お前守るのは、俺だって」
山本はそう言って、ニカッと笑った。
「よかった、目覚めくれて……ほんとに……」
「心配させて悪かったな。もう平気だぜ！」
言ってはまた笑うが、時雨蒼燕流がきかないという事実は変わっていない。
その不安を打ち明けると、意外にも彼は不敵に笑ったのだった。
「大丈夫だ、何つったって時雨蒼燕流は完全無欠最強無敵だからな」
根拠はないはずだ、だけど自信満々に言う彼に、私は少し胸をなで下ろしたのだった。
そうして、スクアーロさんの元へと向かう彼。
「今頃何しに来た」
その体で、と嘲るように山本を見据えるスクアーロさん。
それを軽く流すと、彼は剣の柄に手を伸ばす。
「時雨蒼燕流……」
「ゔぉおい、脳細胞がねぇらしいな！ その構えは知っているぞ！！」
両者が向かい合い、水柱が立つ。
轟く水飛沫の中から現れたのは、攻撃を食らった。スクアーロさんだった。
「当たった……！」
身を起こしたスクアーロさんは、山本に時雨燕蒼流以外の型を使えるのかと問うが、本人は否定する。
「八の型篠突く雨は、オヤジが作った型だ」
そうか、だからスクアーロさんは今の技を知らなかったんだ……！
「正直ここまでやるとは思ってなかったぞ。
だからこそその峰打ちは解せねえ、親権勝負をナメやがって。それともまだ俺の知る型と違う型があるのか？」
「ハハ、残念ながら一から七の型はあんたが知ってるのと同じだぜ」
「ちょ、言っちゃったよ……」
山本らしいというかなんというか。すると、スクアーロさんは、もう八の型を見切ったと言った。
それならば、太刀打ちできる技がなくなってしまったんじゃ……私は不安に駆られたが、山本はさすがだと笑う。
「んじゃいってみっか……時雨燕蒼流、九の型」
九………！
野球をするかのような構えをとり、相手の攻撃を待つ。
迎え撃つスクアーロさんは、剣帝を倒したという大技を放った。
既のところで避ける山本。
そうして、刀で器用に作った波に姿を紛らわせ、スクアーロさんの背後に回るが
相手の腕は義手で、背後にいた山本を容易に刺してしまう。
「っ！」
衝撃に息を飲んだ、その直後
相手の真横から、倒されたはずの山本が現れ、勢いよくスクアーロさん目掛けて刀を振り下ろす。
──うつし雨──
その攻撃は直撃で、この勝負の勝敗はここで決した。
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桜もち(プロフ) - ２万hit突破してたー！すごく嬉しいです、皆様いつもありがとうございます！ (2017年8月3日 14時) (
レス) id: 840f834652 (このIDを非表示/違反報告)
桜もち(プロフ) - ヨーヨーさん» 大量更新すると言ったのに申し訳ありません(泣)まさか夏季課外なるものがあるとは……あと模試。高校怖い…今日からまた更新するのでこれからもよろしくお願いします！ (2017年8月3日 10時) (レス) id: 840f834652 (このIDを非表示/違反報告)
ヨーヨー - 本当に面白いです！早く続きが読みたいです！！！！ (2017年7月19日 11時) (レス) id: 0e946961c6 (このIDを非表示/違反報告)
桜もち(プロフ) - かほさん» 褒めていただけてとても嬉しいです！ほんとですか！？わぁ、光栄です！アンケート作った際にはぜひ投票ヨロシクお願いします！ (2017年7月12日 17時) (レス) id: 840f834652 (このIDを非表示/違反報告)
かほ(プロフ) - 本当に面白いです！良ければ未来編の最後までお願いしたいです笑！大変だと思いますが…是非見てみたいです！ (2017年7月9日 23時) (レス) id: ecda9cfb15 (このIDを非表示/違反報告)
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